カリブ海の島国ハイチのモイーズ大統領が暗殺されてから、7日で1年1カ月。事件の究明は進まず、後任を決める選挙の見通しも立たない。国家元首不在の異常事態が続く中、複数のギャング団が横行して治安、経済状況は悪化、政府のコントロールは失われている。こうした中、国交を持たない中国が同国に接近している。その姿勢からは、中南米・カリブ海諸国への影響力を拡大しようとする意図が透けてみえる。
事件の詳細、いまだ不明
モイーズ氏は2021年7月7日未明、首都ポルトープランスの私邸で武装集団に襲われ、12発の銃弾を受けて死亡した。欧米メディアによると、これまでに実行犯のコロンビアの元軍人や米国在住のハイチ人医師、ハイチの元上院議員ら40人以上が逮捕された。