昨年は初戦で涙をのんだ明豊(大分)が終盤に樹徳(群馬)を突き放して7-3で勝ち、2回戦に進んだ。6日、甲子園球場で行われた全国高校野球選手権大会第1日の第2試合。勝ち越し打を放った牧野は「去年負けてしまったので、まず1勝と思っていた。先を見るのではなく、一戦一戦勝ち進んでいきたい」と力を込めた。
一回に幸先よく3点を先制しながら勢いに乗り切れず、五回に3失点して同点。川崎監督は「追加点がなかなか取れそうで取れなくて嫌な流れだった」と振り返ったが、直後の六回に牧野が流れを引き寄せた。
1死二塁から右中間へ勝ち越し三塁打。二回は先頭で右飛、四回1死一塁では併殺に倒れていただけに「前の2打席で流れを壊すような打撃をしてしまった。何とかしたかった」と気合を結果につなげた。
殊勲の背番号4は、副主将で生徒会長。朝礼で全校生徒の前に立ってあいさつする仕事も担う。負担もありそうだが「楽しくやっています」と充実の表情を浮かべ「野球部には支援ももらっている。恩返ししていきたい」とさらなる活躍を誓った。
8強に進んだ2017年以来の勝利で、大分県勢としても5年ぶりの夏勝利。六回2死二、三塁のピンチも肩の故障で昨秋以来の登板となった2年生右腕の森山が抑え、投打がかみ合い自信を深める1勝となった。(大石豊佳)