火星や月面の本格的な探査に向けた国際研究計画が具体的に進むなど、人類の活動の場は地球外へと急速に拡大しつつあり、星の上の宇宙拠点に移住して生活する時代の到来が現実味を増してきた。ただ、人体に有害な環境の星もあり、候補地は慎重に選ぶ必要がある。そのため、理化学研究所や農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)などの研究チームは、「眠り姫」と呼ばれる変わった昆虫を使うことで、人類が快適に住める星を安全に探す研究に取り組んでいる。
宇宙大航海時代の到来
米航空宇宙局(NASA)は、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)や欧州宇宙機関、カナダ宇宙庁、民間宇宙飛行会社などとともに、2024年までに人類を月面に送る有人月面探査プログラム「アルテミス計画」を進めている。月に物資を運搬して月面拠点を建設し、月における人類の持続的な活動を目指すものだ。