広がり欠く「節電ポイント」、新電力の参加進まず 導入まだ40社程度

冷凍庫の照明を消し、扉に「節電中」の表示が貼られたイトーヨーカドー大森店の売り場=7月1日午前、東京都大田区
冷凍庫の照明を消し、扉に「節電中」の表示が貼られたイトーヨーカドー大森店の売り場=7月1日午前、東京都大田区

電力会社の要請に応じて節電した家庭にポイントなどを還元する「節電キャンペーン」が広がりを欠いている。今夏も電力需給逼迫(ひっぱく)が予想されたため、大手電力や都市ガス大手などが独自に行っているが、全国約700社の電力小売会社で取り組んでいるのは1割にも満たない40社程度だ。経済産業省は今冬までに100社程度に増やす算段だが、電力自由化後に参入した新電力ではシステム構築などの余力が乏しい社も多く、課題が浮かぶ。

老朽火力の再稼働や原発再稼働の前倒しなどで足元の電力需給は改善しているが、夏までは今夏も電力需給逼迫が予想されていた。経産省では「民間の皆さんが始めているものがあり、同じようなことの横展開をお願いしている」(萩生田光一経産相)などと強調。節電キャンペーンの実施実績がある大手電力各社を中心に普及を図ってきた。

大手電力などはこうした要請に応える形で、今夏も節電キャンペーンを展開。

東京電力エナジーパートナー(EP)は7月から今夏の節電キャンペーンを始め、7月31日時点で約25万世帯が参加登録している。節電が必要な時間帯に直近数日間の使用量平均から減らした量に応じ、アマゾンギフト券など他社のサービスと交換できるポイントが得られる。東北電力は前年同月比で一定以上節電した場合に抽選でポイントを付与する節電キャンペーンを行っており、約17万世帯が参加している。

東京ガスの節電キャンペーンには約11万世帯が参加し、7月27日~8月2日の1週間で計約40万キロワット時の節電に貢献した。

ソフトバンク系の新電力「SBパワー」では、令和2年7月から始めた独自の節電サービスの利用者が今年6月に50万世帯を突破。節電した利用者にはアプリを通じて、スマートフォン決済サービス「PayPay(ペイペイ)」のポイントを付与する。

ただ、節電キャンペーンは契約先の電力小売り事業者が導入していなければ恩恵を受けられない。規模の小さい新電力は導入できていない社も多い。大手電力でもスマホのアプリやスマートメーターの設置、会員登録などの手続きが必要な場合もあり「高齢者を中心に制度を利用できない人がでてくる不公平感が課題」(エコノミスト)と問題点を指摘する声もあがる。冬に向け節電効果を高めるためにも、節電ポイントの具体的な普及促進策を今後検討する必要がありそうだ。

(永田岳彦)

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