駅や空港にコロナ検査場、全国117カ所 「無症状で相手を感染させるの怖い」

お盆期間に向け、JR品川駅に新型コロナウイルスの無料PCR臨時検査会場が開設された=5日午前、東京都港区(岩崎叶汰撮影)
お盆期間に向け、JR品川駅に新型コロナウイルスの無料PCR臨時検査会場が開設された=5日午前、東京都港区(岩崎叶汰撮影)

新型コロナウイルスの流行「第7波」の最中に始まるお盆期間を前に5日、帰省客や旅行客が無料で抗原検査を受けられる臨時検査場が、既存の拠点を活用する島根を除く各都道府県の駅や空港などに開設された。政府によると計117カ所で、18日まで運営する。3年ぶりに行動制限を伴わない「ウィズコロナ」の夏休みが本格化するが、感染拡大を抑えながら社会経済活動を継続できるかどうか注目されそうだ。

手渡されたキットで自ら検査

東京都内では、東京、品川、上野、池袋、新宿のJRの各駅や羽田空港、バスターミナル「バスタ新宿」の7カ所に設けられた。都が設置した羽田空港を除く6カ所は、午前8時から午後8時まで営業し、1日に計約3500人が検査を受けられる。利用者は事前にインターネット上の専用サイトから予約を行い、検査場では身分証明書に加えて、帰省に使う切符や予約画面などの提示が必要となる。

JR品川駅の構内に設置された検査場では、午前8時の開場と同時に利用者が訪れていた。体温を測った上で申込書を記入すると、検査キットが手渡され、利用者は10に区分されたブース内で自ら検査を行う。

結果の判明まで約15分。検査の回転率を上げるため、利用者はその場で結果を待たずにキットを持ち帰って確認する。この検査場では、1日に約700人を検査できるという。

午前8時過ぎに検査に訪れた男性会社員(58)は「これから北海道へ帰省するが、高齢の親もいるので、確認してから行ったほうがいいと思った。帰省先でも感染対策には気を付けたい」と話した。

「帰省は1年半ぶり」だという港区の女性会社員(44)は「神奈川の実家には高齢の親もいる。無症状で相手を感染させるのが一番怖い」と語り、小学3年の長男(8)と一緒に検査を受けていた。

受け入れ側「必ず陰性を確認して」

一方、帰省客や旅行客を受け入れる側でも、歓迎と不安の声が交錯する。

これまでの累計感染者数が3万人余りで全国最少の鳥取県。病床使用率は約38%にとどまっており、県の担当者は「旅行客や帰省中の人が発熱した場合でも、速やかな受診が可能な状況」と説明する。都市部からの人流が増加しても、「医療が直ちに逼迫(ひっぱく)することにはならないのではないか」。

4カ所の海水浴場を開設している千葉県館山市。市によると、人流の増加を不安視する住民からの苦情も減った。「経済を回す必要もある。感染対策を講じた上で海水浴を楽しんでほしい」(観光みなと課)

沖縄県では、6月に訪れた観光客が約44万9千人に上り、前年同月比で3倍近くまで増加。7月も同様の傾向が続いている。

お盆休みには更なる観光客の増加が見込まれるが、県内の病床使用率は84・0%(5日時点)と医療提供体制の逼迫が懸念される。すでに発熱外来では、すぐに受診できないケースも出ているという。県の担当者は「来県前に必ず抗原検査などで陰性を確認してほしい」と訴えていた。(長橋和之)

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