<独自>警護計画、警察庁が審査へ 30年ぶり「要則」改定

奈良市の近鉄大和西大寺駅前で街頭演説する自民党の安倍元首相。この直後に銃撃された=7月8日午前11時半ごろ
奈良市の近鉄大和西大寺駅前で街頭演説する自民党の安倍元首相。この直後に銃撃された=7月8日午前11時半ごろ

安倍晋三元首相(67)が奈良市での参院選の演説中に銃撃されて死亡した事件で、都道府県警察が作成する警護対象者の警護計画について、警察庁がチェックする体制の導入を検討していることが4日、分かった。これまでは警護計画の警察庁への報告義務はなかったが、改善の必要性があると判断した。警察庁は約30年ぶりに警護の基本的事項を定めた「警護要則」の見直しに踏み切る方針。

事件では、安倍氏は演説中に背後から近づいてきた山上徹也容疑者(41)に手製の銃で撃たれ、死亡した。安倍氏の背後の警護体制が手薄だったことや安倍氏の手の届く範囲に警護員がいなかったことなどの不備が指摘されている。

警護要則によると、警護計画は都道府県警察が作成することになっており、7月8日の安倍氏の奈良での演説の際も、地元の奈良県警が担当。県警の鬼塚友章本部長が演説当日の8日午前に最終承認していた。警護計画自体は、警察庁に報告の義務はなく、今回も伝えられていなかった。

警察庁は事件を受け、問題点を洗い出すチームを立ち上げ、改善点を模索。その中で警護計画のチェックに警察庁が関わることも検討されているという。

ただ、演説場所などの周辺環境は地元警察が最も詳しく把握していることなどから、警護計画自体は、これまで通り地元警察が主体的に策定。警察庁は、図面などを見て、計画に不備がないかを、確かめていく方法を取るとみられる。

警察庁のチームは8月中にも検証結果などをまとめる方針で、その結果を踏まえ、警護要則の見直しに踏み切る。見直しは自民党の金丸信副総裁(当時)が栃木県で右翼団体構成員に銃撃された事件(平成4年)を受けた6年以来となる。

会員限定記事会員サービス詳細