林芳正外相は4日、訪問先のカンボジアで韓国の朴振(パク・チン)外相と会談し、いわゆる徴用工訴訟問題の協議を加速することで一致した。日韓双方の国会議員連盟も同日、東京都内で会合を開くなど、関係改善に向けた両国間の対話は活発化している。ただ、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は徴用工訴訟の具体的な解決策を依然明らかにしていない。日本政府は関係改善の動きのみが進まないよう、韓国側の出方を冷静に見極める構えだ。
徴用工訴訟をめぐっては、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じ、差し押さえた資産を売却する「現金化」が、早ければ月内にも決まる。朴氏は7月、林氏と東京都内で会談した際「現金化が行われる前に望ましい解決策が出るよう努力する」と述べていた。
しかし、この日の外相会談でも、解決に向けた具体的な進展はなかったとみられる。林氏は「現金化に至れば深刻な状況を招くので避けなければならない」と重ねて伝えた。