ペロシ氏、韓国と対北連携強調 尹氏と直接会談なし

4日、韓国国会の金振杓議長(右)との会談に臨むペロシ米下院議長=ソウル(共同)
4日、韓国国会の金振杓議長(右)との会談に臨むペロシ米下院議長=ソウル(共同)

【ソウル=桜井紀雄】アジアを歴訪中のペロシ米下院議長は4日、ソウルの韓国国会で金振杓(キムジンピョ)議長と会談した。南北軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)の共同警備区域(JSA)も訪れたもようで、核・ミサイル開発や軍事的挑発を続ける北朝鮮に対し、米韓の政府、議会が結束して対処する姿勢をアピールした。

米下院の現職議長の訪韓は2002年のハスタート氏以来、20年ぶり。JSA訪問では、19年に当時のトランプ大統領が訪れて以降、米側関係者で最高位となる。

米韓両議長は会談で、北朝鮮の非核化を目指す米韓両政府の努力を支援していく方針で一致。金氏は会談後の共同記者会見で「国民が実感できる強力な対北抑止力」に基づき、国際協力と対話で北朝鮮に実質的な非核化を促していく考えを説明した。ペロシ氏は休戦中の朝鮮戦争(1950~53年)を念頭に「安全保障上の危機からスタートした関係が温かい友好関係へ変化した」と米韓同盟の深化を強調した。

ペロシ氏はロシアのウクライナ侵攻に絡む韓国の支援に謝意を表したことも明らかにした。ただ、共同会見では質問を受け付けず、米韓両議長ともにペロシ氏の前日の台湾訪問に関する言及はなかった。

ペロシ氏は尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と電話会談し、「米韓で『自由で開かれたインド太平洋』の秩序を育んでいこう」と呼びかけた。尹氏はペロシ氏のJSA訪問について「韓米の対北抑止力の証しとなる」と述べた。

尹氏は夏季休暇中であることを理由に直接面談を見送ったが、米韓関係の強化を訴えてきた尹氏が米側要人と面談しなかったことに国内で批判の声が出ている。尹政権は文在寅(ムンジェイン)前政権時代の対中外交を「弱腰」と批判し、経済面での中国依存からの脱却を目指している。一方で、ペロシ氏の訪韓中、韓国側から台湾問題を持ち出すことはなく、米中対立と距離を置こうとする姿勢がうかがわれた。

会員限定記事会員サービス詳細