米露双方に配慮 OPECプラス9月は小幅増産

OPECのロゴ(ロイター)
OPECのロゴ(ロイター)

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」は3日の閣僚級会合で9月の原油生産について、日量10万バレルの増産を決めた。増産幅は小さく、中東産油国を歴訪し、増産を求めたバイデン米大統領の要請に最低限応えたが、ロシアとの結束も重視する結果だった。世界的な景気減速懸念から足下の原油価格は下落傾向にあり、安値基調が強まる可能性もある。

「米国とロシア双方の顔を立てた対応」。第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミストは今回の決定をこう評価する。

バイデン氏は11月の中間選挙を見据え、米国内のガソリン価格高騰対策や対ロシア制裁の実効性を高めたい思惑から、7月13~16日にサウジアラビアなどを訪問し、原油増産を要請。ただ、サウジは増産を確約せず、実権を握るムハンマド皇太子はロシアのプーチン大統領とも電話会談していた。

米露が水面下で駆け引きをする中、新型コロナウイルス禍対応の協調減産が8月末で終わるため、今回のOPECプラスの決定が原油価格の先行きを占うものとして注目されていた。

OPECプラスの結果を受けた3日のニューヨーク原油先物市場は、指標の米国産標準油種(WTI)の9月渡しは一時1バレル=96ドル台半ばまで上昇したが、終値は前日比3・76ドル安の1バレル=90・66ドルだった。ロシアのウクライナ侵攻前の2月上旬以来、約半年ぶりの安値。WTIは3月に一時130ドルを超えたが、最近は100ドルを下回る水準で推移。物価高や米国の金利上昇で世界的な景気後退への懸念も強まっている。西浜氏は「当面90ドルを挟んでの展開」になるとみている。(永田岳彦)

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