先月27日付の人民日報は1ページの約半分を使って、胡春華共産党政治局委員・副首相の署名文を掲載した。文章は「習近平総書記の論述を導きに郷村振興の新局面を開こう」と題するもので、その中身は徹頭徹尾の「習近平礼賛」だ。文章の中で彼は、終始一貫、習近平総書記の農業・農村・農民政策に最大級の賛辞をささげている。
曰(いわ)く、「農業・農村・農民問題に関する習近平総書記の重要論述は、重厚なる実践の基礎と深遠なる理論的思考・戦略性を持つ。農業・農村・農民政策に総綱領・総依拠・総基準を与えている」。曰く「習近平総書記はマルクス主義の基本原理とわが国の農業の実情と中華民族の優秀なる伝統農耕文化(の3者)を結合し、新時代における党の農村工作理論を豊富にさせ発展させ、マルクス主義的な農業・農村・農民理論の新境地を開いた」と。
胡氏は、習総書記のことを単に政治的リーダーとしてではなく、マルクス主義を発展させた思想的指導者として持ち上げている。ここまでの指導者礼賛は文革中の毛沢東に対する賛美とほとんど変わらない。「習近平崇拝」が政治領域の一種の風潮となっている中でも胡氏の「習近平礼賛」はやはり突出している。