トヨタ、原材料高が重し 減産でサプライヤーも苦境

トヨタ自動車本社に掲げられている旗(愛知県豊田市)
トヨタ自動車本社に掲げられている旗(愛知県豊田市)

令和5年3月期連結の業績予想を上方修正したトヨタ自動車だが、円安の恩恵が大きく、原材料価格の高騰や半導体不足が足を引っ張っている。減産が続いており、受注残は世界で約200万台に上り、納期遅れも発生している。原材料や減産の影響で部品を供給するサプライヤーも苦しんでおり、課題は尽きない。

4日午後、トヨタが決算発表した直後に株価が一時前日比約4%下落した。終値は約3%安だった。売上高と最終利益を上方修正したが、本業のもうけを示す営業利益を据え置いたことで、市場予想を下回った。

営業利益2兆4千億円は変わらないが、中身を見直した。原材料高騰の影響は期初予想より2500億円増の1兆7千億円とした。この中にはトヨタがサプライヤーの電気・ガス代や原材料や輸送費コストの一部を負担する費用などを盛り込んだ。

また、トヨタは4年10月~5年3月分の部品価格の値下げ要請の見送りも決めており、こうした費用も含めた。「サプライヤーからは減産が苦しく、資材高騰が経営を圧迫しているという声が多い」(熊倉和生調達本部長)という。

実際に系列部品会社の4~6月期決算は減益や赤字転落が続出した。トヨタは取引先と一体で、生産性を高めることを基本方針としており、サプライヤーの支援に一歩踏み込んだ。

このほかに今後のリスクに備えて、2千億円の費用も設けた。エンジン不正問題を起こした連結子会社の日野自動車の業績予想はトヨタの決算に盛り込んでいない。「リスクの一つとして認識している」(トヨタ関係者)。この2千億円で追加損失を想定している。

トヨタは昨年夏から減産が続いており、販売の現場では新車不足が深刻となっている。受注を停止する車種も出ており、納期遅れも目立っている。

世界生産台数の970万台は維持したが、4~6月期実績は前年同期比約6%減の212万台だった。後半にかけて増加を見込む。中国・上海のロックダウン(都市封鎖)は収束したが、半導体不足やサプライチェーン(供給網)の混乱の解消はまだ見えない。(黄金崎元)

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