かかとが踏めるビジネスシューズ 作業着スーツの「WWS」が開発 蒸れや窮屈感緩和

かかとに折り目があるため踏みやすいオアシスライフスタイルグループの「ボーダレス本革シューズ」=3日、東京都渋谷区(松村信仁撮影)
かかとに折り目があるため踏みやすいオアシスライフスタイルグループの「ボーダレス本革シューズ」=3日、東京都渋谷区(松村信仁撮影)

スーツに見える作業着ブランド「WWS」を手がけるオアシスライフスタイルグループ(東京都港区)は3日、アシックス商事(神戸市須磨区)と共同でかかとが踏める本革ビジネスシューズを開発したと発表した。かかとが踏めることで、革靴にありがちな蒸れや窮屈感を大きく緩和させた。オアシスライフスタイルグループの関谷有三社長は3日、都内で開かれた記者発表会で、「本革ビジネスシューズの課題を解決して、イノベーションを起こすことで、新しい市場を作っていきたい」と意気込んでいる。

「ボーダレス本革シューズ」と名付けられたこの革靴は、靴のかかとの部分に折り目が付いている。履き口の内側の伸縮性を持たせたことで、靴べらを使わずに履けるうえ、履いている間に靴が脱げにくくした。中敷きに消臭繊維と抗菌繊維を採用し、蒸れやにおいを抑えた。また靴底を軽くすることで長時間歩き続けても疲れにくいという。

一般的な革靴のかかとの部分には、「ヒールカウンター」と呼ばれるプラスチック製や厚紙製の補強材が使われている。その補強材の存在により、革靴が窮屈に感じ、休憩時などには靴のかかとを踏む人が多いが、かかとを踏み続けると靴が傷みやすくなる。

茶色と黒の2色を用意したオアシスライフスタイルグループのかかとが踏める「ボーダレス本革シューズ」=3日、東京都渋谷区(松村信仁撮影)
茶色と黒の2色を用意したオアシスライフスタイルグループのかかとが踏める「ボーダレス本革シューズ」=3日、東京都渋谷区(松村信仁撮影)

色は黒と茶の2種類。サイズは24.5~27センチまで、0.5センチ刻みで用意した。価格は1万4080円。電子商取引(EC)サイトのマクアケ(東京都渋谷区)を通じて3日に先行販売を始めており、納品は11月上旬の予定。5日からはWWSブランドの旗艦店「フラッグシップストア新宿」で試着ができる。12月には作業スーツを販売している全国の主な百貨店でも販売する予定という。


かかとが踏める「ボーダレス本革シューズ」を手にするオアシスライフスタイルグループの関谷有三社長(右)=3日、東京都渋谷区(松村信仁撮影)
かかとが踏める「ボーダレス本革シューズ」を手にするオアシスライフスタイルグループの関谷有三社長(右)=3日、東京都渋谷区(松村信仁撮影)

同社は平成29年6月に設立。祖業である水道工事業のユニフォームとして、スーツに見える作業着を開発している。平成30年3月以来の累計販売数は17万着を突破、約1800社が作業着として採用している。

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