日本維新の会の代表選が14日告示、27日投開票の日程で行われる。大阪発の地域政党を母体とし、直近2回の国政選挙で伸長した維新は「全国政党」への脱皮を目指し、党創設者である松井一郎代表の後任を決める岐路に立っている。平成24年の立党以来初の代表選は、どのような意味を持つのか。政治学者の砂原庸介神戸大教授と政治行動論が専門の善教将大(ぜんきょう・まさひろ)関西学院大教授に聞いた。(聞き手 尾崎豪一、北野裕子)
イメージ刷新できるか-砂原庸介・神戸大教授
昨年10月の衆院選と今年7月の参院選で、維新がそれぞれの選挙前から議席を拡大した一因に、衆院選前に自民党の安倍晋三、菅義偉(すが・よしひで)両政権が終わり、岸田文雄政権に移行したことがあると考えられる。
本来、自民と維新の政策的な立ち位置は近い。維新は前回衆院選で岸田政権を「『改革』の2文字が消えた」と批判し、自らについては大阪での行政運営の実績とともに「改革政党」とアピールした。その結果、自民や立憲民主党よりも維新の方が望ましいと思う有権者が維新に票を投じたのではないか。こうした傾向は参院選でも続いた。
首相在任中に全世代型社会保障制度を創設した安倍氏は消費税を財源とした子育て支援を打ち出し、菅氏は携帯電話料金の引き下げやデジタル庁創設などを実現した。維新にすれば子育て支援やデジタル改革で国に先行された形だった。岸田政権になって、今度は維新が国に先行して改革を進めることを強調したいだろう。
参院選を終えた今、維新には2つの道があるように見える。