自民党の安倍晋三元首相の死去は、中心を失った党内保守系と「対話」の相手を失った岸田文雄首相の双方にとって試練となっている。首相が伝統的にリベラルな宏池会(岸田派)会長を務めているため、保守系の発言力が落ちて政権の左傾化につながる可能性も指摘される。首相は保守系との調整に手間取り支持を失う恐れがあり、今後の政権運営にも影響しそうだ。
「安倍氏に代わる人なんて誰もいない。志をともにした私たちが政策を実現させ、発展させていく」
自民の高市早苗政調会長は3日、安倍氏が顧問を務めた勉強会「保守団結の会」が党本部で開いた会合でこう強調した。