米殺害のザワヒリ容疑者 若くして過激思想に傾倒

国際テロ組織アルカーイダの指導者、アイマン・ザワヒリ容疑者(AP)
国際テロ組織アルカーイダの指導者、アイマン・ザワヒリ容疑者(AP)

米国が殺害を発表したアイマン・ザワヒリ容疑者はウサマ・ビンラーディン容疑者の死後、10年以上にわたり国際テロ組織アルカーイダを最高指導者として率いた。しかし、カリスマ性に欠け指導力を発揮できず、組織は弱体化。重病説も取り沙汰されていた。

エジプト・カイロ郊外で1951年に生まれたザワヒリ容疑者は、世界のイスラム過激思想に影響を与えた原理主義組織「ムスリム同胞団」に学生時代から傾倒した。過激思想に詳しいカイロ・アズハル大のアブドルバセット・ヘイカル教授は、欧米の中東支配に対する反発から「イスラム世界の過激な変化を志向した」と分析した。

ザワヒリ容疑者は74年にカイロ大医学部を卒業後、81年に起きたサダト大統領暗殺事件に関わったとして投獄された。その後、アフガニスタンで対ソ連ゲリラ戦に参加し、ビンラーディン容疑者に出会った。

2001年の米中枢同時テロのほか、1998年のケニアとタンザニアの米大使館爆破事件にも関与したとされ、米政府は懸賞金2500万ドル(約33億円)をかけて行方を追っていた。

2014年にはアルカーイダから分派したスンニ派過激組織「イスラム国」(IS)がイラクとシリアで台頭。求心力を失ったアルカーイダは、中枢が反米イデオロギーを鼓舞するメッセージを発信し、各地の傘下組織が独自の指揮系統でテロ活動を行っていたとの見方が有力だ。

欧米では近年、アルカーイダ本体の関与が明確な大規模テロは起きていない。しかし、中東やアフリカでは政情不安に付け入る形で傘下組織が活発に活動している。米議会調査局は今年5月、米国人らを狙う危険性があるアルカーイダ系組織として、イエメンの「アラビア半島のアルカーイダ」(AQAP)やソマリアの「アッシャバーブ」などを挙げた。(中東支局 佐藤貴生)

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