大谷のエンゼルス残留濃厚 今オフに争奪戦は先送り

ベンチで明るい表情を見せるエンゼルス・大谷(左)=7月28日、米カンザスシティー(共同)
ベンチで明るい表情を見せるエンゼルス・大谷(左)=7月28日、米カンザスシティー(共同)

去就が注目されていた米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(28)が残留する方向であることを、米メディアが相次いで報じた。米東部時間2日午後6時(日本時間3日午前7時)まであと1日を切った時点で、他球団のユニホームに袖を通す可能性は低くなった。

エンゼルスの地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」は「締め切りを前に大谷のトレードはなくなっただろう」と伝えた。

大リーグではトレード期限までにポストシーズンへの戦力補強のために、上位球団は、低迷する球団の主力と有望な複数のマイナー選手などと交換トレードするケースが多い。エンゼルスもア・リーグ西地区4位でポストシーズン進出は極めて難しくなっていた。二刀流で投打の主力、大谷も重要なターゲットとされていた。

だが、大谷残留の可能性が高まり、獲得に強い関心を持ってエンゼルス側に交渉を持ちかけていたとされる球団もギリギリになって方向転換し始めた。

ヤンキースはアスレチックスから先発右腕モンタスと救援右腕トレビーノを獲得した。ヤンキースからはマイナーの4選手が移る。

ニューヨーク・ポスト紙は「ヤンキースは大谷獲得のため、エンゼルスと真剣に接触した数少ないチームだが、エンゼルスは手放す予定はないようだ。トラウト、レンドンの故障で不在の中、二刀流の〝メガスター〟大谷をトレードさせることをオーナーのモレノ氏が望んでいないようだ」と、獲得断念の理由を説明。

交渉に進展に期待していたパドレスもブルワーズから最速400奪三振記録を持つ救援左腕ヘイダーを獲得。現在の守護神で不振のロジャースを出してまで戦力アップに動いた。NBCの地元局は「打撃面ではナショナルズのソト獲得に全力」と伝えた。

大谷の移籍騒動はひとまず収束に向かいそうだが、「オレンジ・カウンティ・レジスター」紙は、現時点での移籍の可能性が極めて低くなったとしながらも、「エンゼルスは今季残りシーズン、大谷を保持するが、問題は来季以降の契約が結べなかった場合、今オフに騒動が再燃することだ」と、2年契約を終え、来オフのフリーエージェント(FA)権取得をにらんだ争奪戦が繰り広げられることになると分析した。

最大で10年、4億ドル(約520億円)をはるかに超える契約も予想される。大谷の周りが静かになることはなさそうだ。


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