アフガン、なお「テロの温床」 ザワヒリ容疑者 政府機関近くに潜伏

国際テロ組織アルカーイダの指導者、アイマン・ザワヒリ容疑者(AP)
国際テロ組織アルカーイダの指導者、アイマン・ザワヒリ容疑者(AP)

【シンガポール=森浩】アフガニスタンの首都カブールで国際テロ組織アルカーイダの最高指導者、ザワヒリ容疑者が殺害されたことは、米軍撤収後のアフガンがいまだに「テロの温床」である実態を浮き彫りとした。イスラム原理主義勢力タリバンが米国と合意した「国際テロ組織との関係遮断」を履行していない疑いは強い。カブール陥落1年を15日に控え、タリバン統治への不信感が高まる結果となった。

ザワヒリ容疑者が潜伏していた住宅はカブール中心部の高級住宅街シェルプール地区にあり、政府機関やタリバン幹部の自宅からもほど近い。タリバンはザワヒリ容疑者の居場所を把握していたとみられ、ロイター通信はタリバン関係者の話として、タリバンがザワヒリ容疑者に「最高レベルの警備」を与えていたと報じた。

タリバンと米国は2020年2月、カタールの首都ドーハで和平合意に署名した。合意では米軍がアフガンから撤収する一方、タリバンはアルカーイダなど国際テロ組織と関係を断ち、国土を活動拠点として利用させないことが盛り込まれた。

ただ、21年8月に米軍撤収は完了したものの、タリバンはアルカーイダとの関係を維持しているとの見方は根強かった。タリバンは1990年代、アルカーイダ指導者のウサマ・ビンラーディン容疑者を「賓客」として迎え入れて、原理主義化が進んだ経緯があり、両組織の縁は深い。

タリバン暫定政権のザビフラ・ムジャヒド報道官は2日、ツイッターでザワヒリ容疑者の死亡は触れず、米軍のドローン攻撃について「米軍の攻撃は国際的な原則に対する明らかな違反行為だ。米国、アフガン、地域の利益に反する」と反発した。

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