パラバレー体験会(上)

愛情を込めてトス、ラリーに歓声 パラバレーの魅力

まだ着られる中古衣類の寄付で障がい者スポーツ(パラスポーツ)を応援する「ふくのわプロジェクト」(産経新聞社主催、オフィシャルパートナー・富士紡ホールディングス)は、応援先競技団体の一つ「日本パラバレーボール協会」の協力で7月7日、東京都中央区立佃中学校(志村昌孝校長)で、体験会を開きました。パラバレーは障がい者だけでなく、健常者も高齢者も子供も楽しめる「一生涯スポーツ」。ふくのわに協力している同校で、1年生約110人が、パラリンピックの選手や監督らからプレー方法やコツ、ルールなどを楽しく学びながら、共生社会への理解を深めました。

「残されたものを最大限に使う」

パラバレー女子日本代表チーム監督の真野嘉久さん(57)が、この日参加した選手や指導者を順に紹介した。

「グルくん」と紹介された東京パラリンピック日本代表の高砂進さん(48)が、左脚の義足をグルグル回すとどよめきが―。「脚がグルグル回るので『グルくん』です」。真野さんの説明に、緊張していた生徒らの表情が一瞬で和らいだ。

最初は、脚だけ、手だけ、手脚を使って動く練習だ。「どれが一番動きやすかった?」との真野さんの質問に、生徒は「手脚」。

真野さんは「障がい者のスポーツに、失ったものを数えるな、残されたものを最大限に利用しろという言葉があります。パラスポーツの選手は残った部分を最大限に使ってプレーします」と説明した。

生徒は4グループに分かれ、選手らを中心に円になってトスなどの練習を行った。

強いボールが飛ぶと、パラバレーボール協会副会長、竹田賢仁さん(55)が「ここにいる人は仲間。優しいボールを返しましょう。ネットの向こうには厳しいボールを打ってください」と呼びかけた。そこへ、真野さんがやってきて、「愛情を込めて名前を呼んでやりましょう」と言いながら、「たけちゃん」「まのさん」と声を出してボールを打ち合うと笑い声が起きた。

実際にコートでゲームを体験。慣れなかった生徒らもコツをつかむと5回10回とラリーが続き、歓声が上がった。

最後に真野さんが「楽しかった人?」とたずねた。みんなが「はーい」と手を挙げるのを見た選手、指導者らは笑顔でうなずいていた。

参加した生徒の感想

手脚を使って前後に動く練習。簡単?難しい?
手脚を使って前後に動く練習。簡単?難しい?
両手で三角形を作ってのぞくと上手にトスができた!!
両手で三角形を作ってのぞくと上手にトスができた!!
柔道の受け身ではありません。後ろに倒れても安全な体勢をとる練習
柔道の受け身ではありません。後ろに倒れても安全な体勢をとる練習

村上紬さん「座ったバレーボールは初めてで、とても良い経験になった。声をかけ合いながらするのが楽しかったし、団結力が必要だった。やっぱり選手はすごい。どうしてこんな難しいことができるんだろう。義足でもこれだけ動けるのはすごすぎる。パラスポーツの楽しさも知ることができた」

木村咲良(さら)さん「いつもお尻をコートにつけているのが印象に残っている。大変なこともあるだろうけど、(パラバレーは)とても楽しいんだな。いろんな大会に出て活躍していることが分かり、ステキだと思った」

松本莉央さん「私はバレーボールが苦手だし嫌いでした。でも体験してみて、苦手だけど楽しい気がして不思議でした。義足で走る人は聞いたことがあるけれど、バレーボールをするのは初めて知りました。腕を使って素早く動くのは、とても大変でした」

筑間貴博さん「今あるものを使う、失ったものを数えずに前を向くところが素敵だと思った」

池田快吏(かいり)さん「面白いし、とても難しかった。事故や病気で体の一部をなくしてもちゃんと活躍できていて素晴らしいと思った」

金子陽向大(ひなた)さん「片脚を失っても動かせる部分を動かすということに共感しました」

「まみちゃん」と声をかけてトスをする生徒
「まみちゃん」と声をかけてトスをする生徒

撮影:三尾郁恵

文:篠原那美、慶田久幸

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衣類寄付でパラスポーツを応援 「ふくのわプロジェクト」

「ふくのわプロジェクト」ワッペン
「ふくのわプロジェクト」ワッペン

「衣類のリユースでパラスポーツを応援しよう」を合い言葉に活動を続けるふくのわプロジェクト。家庭などからまだ着られる衣類を寄付してもらい、専門業者に売却し、収益金でパラスポーツの競技団体を応援している。寄付された衣類は選別され、東南アジアを中心に世界15カ国で販売される。2016年のスタートから、これまでに約673トンが集まり、約1020万円が競技団体などに寄付された。

ふくのわでは活動を通じたSDGs(持続可能な開発目標)への貢献を目指しており、運送の効率化による二酸化炭素排出の抑制や障がい者施設への仕事の発注、小中高校で環境教育なども展開している。

衣類を寄付するのに便利な宅配キット「おうちでふくのわ」(税込み2500円)を販売しているほか、段ボールでの送付や倉庫への持ち込みもできる。

衣類の寄付は〒300ー0726 茨城県稲敷市西代703 ふくのわ係。送料は寄付者でご負担ください。

「ふくのわプロジェクト」公式WEBサイト


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