関電報酬補塡「裏切り行為」 検審、旧経営陣の責任追及迫る

1日公表された関西電力旧経営陣を巡る大阪第2検察審査会の議決書は、東日本大震災後に減額した役員報酬の補塡(ほてん)を旧経営陣が極秘裏に決めたことを違法と評価し、刑事責任を厳しく追及すべきだと結論づけた。経営不振を理由に電気利用者に料金の値上げを求めながら、その陰で元役員らの利益を図っており、検審は「電気利用者への裏切り行為」と強い言葉で非難した。

検審は1月に市民団体からの申し立てを受け、大阪地検特捜部が不起訴とした6つの容疑について、約半年にわたり審査。旧経営陣9人のうち八木誠前会長(72)と森詳介元会長(81)、岩根茂樹元社長(69)の3人を「起訴すべき」だと判断した。

審査の対象は大きく分けて2点。18人分の役員報酬補塡問題と、八木氏ら83人が原発関連工事に影響力を持つ福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)側から小判や現金など総額3億7千万円相当を受け取った金品受領問題だった。

検審は金品受領について、地元側が見返りとして不当に高額な工事発注を「黙示的に示唆したことは明らか」とし、取締役の収賄罪が成立する余地があると指摘。「歴代の取締役が(不適正な関係を)改善できなかったものを発覚時の取締役だけ罰するのは酷」としつつ、再捜査を求める「不起訴不当」とした。

一方、補塡問題への判断はより厳しいものとなった。

役員報酬の減額は、関電が平成23年の東日本大震災以降、福井県内3原発の運転停止による業績悪化を理由に実施。電気利用者には料金の値上げを、関電社員には給与カットを同時に求めていた。

当時会長だった森氏と社長だった八木氏は、業績が回復すると、18人に対する約2億5900万円に上る役員報酬の減額分について、退任後の嘱託報酬などで補塡することを主に2人で決定。検審は「会長、社長の権限を逸脱すると言ってもよいような行為」とし、起訴相当とした。

特捜部も補塡問題については起訴の可能性を最後まで検討していた。ある検察幹部は検審の判断を「市民の率直な思いだろう」と重く受け止めた。(山本考志)

特集「関電金品受領問題」

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