長野県知事選・立候補者3氏の横顔

長野県知事選の立候補者の演説に耳を傾ける聴衆=7月21日、県内
長野県知事選の立候補者の演説に耳を傾ける聴衆=7月21日、県内

任期満了に伴う長野県知事選は、新人で元福祉施設職員の草間重男氏(72)、新人で元上田市議の金井忠一氏(72)=共産推薦、現職で4選を目指す阿部守一氏(61)の無所属3氏が7日の投開票に向けて、熱戦を演じている。各氏の横顔を紹介する。

草間重男氏 平和教育の学校設立描く

主に年金で生活しているが、一定の資金がないと立候補できないしくみに抗議の姿勢を示す。知事選立候補で必要となる供託金は全国共通で300万円だが、東京都との人口比から算出した50万円をいったん供託。その後、改めて正規額を供託した。

平成8年まで障害者福祉施設に勤務。10年に平和の祭典である五輪・パラリンピックが長野で開かれたことから、平和理念を掲げ、いじめや不登校などの問題を抱えた生徒を迎える「長野五輪記念学校(通称)」、および連携する福祉施設の設立に向けて活動をしている。

長所は「若さと行動力」とする半面、「慎重さに欠ける部分は弱点にもなる」と自己分析する。キャンパスの誘致合戦が演じられた信州大の情報系学部新設計画については、学部の特性を生かして通信機器を装備した大型トラックなどを移動キャンパスにすればいいと独自の発想を持つ。

小諸市で1人暮らし。趣味は「蔓(つる)編み」で、かごなどを編んだりしている。

金井忠一氏 生活相談対応が生きがい

6歳のときに交通事故で父を亡くし、長男として養蚕や稲作など家業を手伝いながら育った。多くの人に助けられた経験から、困った人がいれば寄り添わずにいられない。長野県生活と健康を守る会連合会の会長を務める。これまでに3千件を超える生活相談に応じた。朝など忙しいときにかかってくるが生きがいになっている。

18歳のとき、青年団の代表で広島の原水爆禁止の世界大会に行き、共産党員が戦争に反対していたことを聞いて、自ら入党。広島と長崎には3人の子、6人の孫も連れ、これまで40回以上訪れた。願いはひ孫を連れていくことだという。

軍国少年で海軍を志願したほどの父から忠義を尽くすようにと「忠一」と名付けられた。「父が今、生きていれば、どういうでしょうね」と笑う。

上田市で、青年団で知り合った妻と長女、孫2人と暮らす。日課は飼い犬の散歩。稲作や野菜栽培、地域の役職をいくつも掛け持ち、休日もパワフルに動き続ける。

阿部守一氏 難病患い弱い立場に思い

「小学校の同級生や先生は、私が人前で話す姿は想像できなかったのでは」。引っ込み思案で、家庭や学校では将棋に没頭した。

JR中央線沿線の東京・国立で、急行アルプスなど長野県へ向かう列車を見て育った。小学生の頃に上高地、大学で山登りのサークルに入り白馬岳を登った。

自治官僚時代に、難病のギラン・バレー症候群にかかり、生きていることのありがたさを感じたと同時に、弱い立場に対する思いも持つようになった。平成13年、県に出向して田中康夫知事のもとで副知事を務めたが、この入院がなければおそらく長野への赴任もなかった。「人間万事塞翁が馬」を常に意識する。

5月の出馬会見で「3期が適切な任期と思ってきた」とあえて発言。「言わなきゃいいことまで素直に言ってしまう」と自己分析する。

小諸市に自宅があるが、多忙のため普段は長野市の旧副知事公舎で妻と2人暮らし。路地裏を歩くのが好きで、ふらっと飲食店に入ることもあるという。

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