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立民新潟県連、迷走の危機 新潟市長選いまだに白紙

立民県連の常任幹事会で代表辞任を申し出た菊田真紀子衆院議員=7月24日、新潟市中央区(本田賢一撮影)
立民県連の常任幹事会で代表辞任を申し出た菊田真紀子衆院議員=7月24日、新潟市中央区(本田賢一撮影)

参院選に敗れた立憲民主党新潟県連が、迷走の危機に直面している。菊田真紀子衆院議員が敗北の責任をとって県連代表を辞任。トップ不在の中、5月の知事選、7月の参院選に続く注目選挙、新潟市長選(10月9日告示、23日投開票)まで約2カ月に迫っているにもかかわらず、対応は白紙状態なのだ。

代表辞任

立民の現職だった森裕子氏(66)が敗れた参院選から2週間後の7月24日に開催された県連常任幹事会。冒頭、菊田氏は「県連代表として選対本部長として力不足を痛感している」と陳謝。「責任をとり、本日をもって県連代表を辞させていただきたい」と申し出て、了承された。

当面、幹事長である大渕健県議が代表の職務を代理し、10月に予定されている県連定期大会で次の代表を選出する。

参院選の総括

常任幹事会では、参院選の中間総括も提示された。そこには次のような文言が並んでいた。

「選挙戦は、『大接戦』のまま終盤にもつれ込んだが、投票日直前に元首相が凶弾に倒れる衝撃的な事件が起き、有権者の投票行動に大きな影響を与えたことは痛恨の極みであった。これにより、自民党の参議院議席の復活を許した」

野党側は、参院選新潟選挙区の改選数が1になった平成28年、令和元年の選挙で自民候補に連勝し、選挙区での2議席を独占。議席の死守が至上命題になっていた。一方、自民は今回、新潟を最重点選挙区に位置づけ、強力な組織戦を展開。選挙戦最終日の7月9日夕には、岸田文雄首相が厳重警戒態勢の中で新潟市に入り、最後の演説を行った。安倍晋三元首相が凶弾に倒れた翌日だった。

選挙の結果、自民新人の小林一大氏(49)が森氏に6万8930票差をつける51万7581票を獲得し、悲願の議席奪還を果たした。

森氏を支援した連合新潟の牧野茂夫会長は、7月24日の立民県連・連合新潟の合同選対本部の解散式で「各種調査をみると、9日の期日前投票と10日の投票日で3万5千票ほどが相手候補にいったようだ。それがなければという思いだ」と語った。

参院選で敗北し「今後のことは白紙」と語った森裕子氏(左)。右は菊田真紀子衆院議員=7月24日、新潟市中央区(本田賢一撮影)
参院選で敗北し「今後のことは白紙」と語った森裕子氏(左)。右は菊田真紀子衆院議員=7月24日、新潟市中央区(本田賢一撮影)

新潟市長選は

県内政界の関心は、年内の注目選挙のトリを飾る新潟市長選に移っている。現職の中原八一氏(63)は6月、2期目を目指して出馬すると表明。前回選挙では自民が支持した。

一方、野党側には現状、目立った動きはみられない。常任幹事会終了後、野党第一党として候補者を擁立しないのかと報道陣から聞かれた菊田氏は、こう答えた。

「候補者を立てるのか、あるいは立てないのか。早急に立民県連としての方針を決めるべきだと思っている。選挙は数カ月後だが、今の段階では白紙だ」

森氏が新潟市長選に出る可能性については「森氏は何らかの形で政治に関わっていくと思うが、どの選挙ということは明言していない」とした。

立民県連の支援団体の中には、立民への不信感が根強くあるようだ。ある団体の参院選の総括報告書には敗因について、次のような手厳しい記載がある。

「(立民の)知事選の対応が大きい。党内に擁立できる対象(くら替え)を持ちながら、擁立断念を早々に打ち出した点を理解できなかった。(立民は)『野党第一党』の矜持(きょうじ)(誇り)を失った」

新潟市長選まで2カ月余り。「参院選、知事選での勝利を新潟市長選、来春の統一地方選に生かしたい」と意気込む自民。これに対し、立民はトップが不在の中、候補者擁立を見通せない状況だ。

立民県連を迷走から救う強力なリーダーが求められている。(本田賢一)

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