花田紀凱の週刊誌ウォッチング

(884)安倍元首相射殺報道、話が逸れている

安倍晋三元首相銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者
安倍晋三元首相銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者

話が妙な方向に逸(そ)れてきた。

安倍晋三元総理を射殺した、山上徹也容疑者の母が統一教会信者だった。多額の寄付で山上容疑者が統一教会に恨みを持った。統一教会は悪。選挙で応援してもらった議員はケシカラン。

テレビのワイドショーが例によって大騒ぎ。『赤旗』が張り切っている。

たかだか現在の信者は10万人(8万人とも)、多額の献金をしているわけでもない。選挙ともなれば、その程度の組織でも、反対に回られるよりは。それだけの関係だろう。

共産党の志位和夫委員長はツイッターで、「〝何が悪いのか〟と開き直りを始めた」と書いているが、実際「何が悪いのか」。

統一教会の名称変更問題もそうだ。じゃ、新聞はその時(平成27年)に反対キャンペーンでも張ったのか。

で、今週の週刊誌。

『週刊文春』(8月4日号)の右柱が「統一教会の闇 自民党工作をスッパ抜く!」、左柱が「安倍元首相暗殺 山上徹也の570日」。

『週刊新潮』(8月4日号)「底なし政界汚染 安倍元総理と『統一教会』ズブズブの深淵(しんえん)」。

両誌ともワイドショーレベル。「闇」とか「深淵」はオーバー。

『サンデー毎日』(8・7)「スクープ 山上容疑者『伯父の激白50分』」。

すでに『文春』『新潮』が先々週号でインタビュー、詳しく報じている。スクープでもなんでもありゃしない。

『週刊朝日』(8・5増大号)で、両親が統一教会の信者だったという女性が、こう語っている。

〈「山上容疑者の行為は擁護できませんが、彼の気持ちに共感できるという2世は多い」〉

山上容疑者は単なる殺人犯だ。

ついでだが『朝日』、「『円預金』だけで大丈夫か?」とか「モテる定年1年生になる!」とか、完全に老人誌化の方向に舵(かじ)を切ったらしい。

『ニューズウィーク日本版』(8・2)、2本のスペシャルリポート。

「世界の大都市を水没から救え」「熱波リスクが貧困層を襲う」

これこそ、今週読むべき記事だ。

(月刊『Hanada』編集長)

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