病床使用率、25都府県で4割超す 新型コロナ

厚生労働省が29日に公表したデータによると、新型コロナウイルスの感染急拡大で、全国の25都府県でコロナ感染者向け病床の使用率が4割を超えた。島根を除く46都道府県で新規感染者数(人口10万人当たり)が前週比で増加し、感染の収束が見通せない状況が続いている。

病床使用率は26日時点で神奈川が71・2%に上り、埼玉や兵庫、福岡など計13県で5割を超えた。2割台に抑えられているのは北海道や富山など4道県にとどまり、和歌山、島根以外の45都道府県で前週から上昇した。

オミクロン株の派生型「BA・5」は感染力が強い一方で、感染者は無症状か軽症にとどまるケースが多いとされ、重症患者向け病床の使用率は26日時点で3割を超えているのが5都府県。首都圏や近畿圏などを中心に26都道府県で前週から上昇している。

28日までの1週間でみた人口10万人当たりの新規感染者数は東京や千葉、大阪、熊本など14都府県で1千人を上回った。中でも沖縄は約2250人に達し、感染状況の悪化が際立つ。26日時点の人口10万人当たりの療養者数も沖縄は全国最多の約2537人に上った。

感染者急増続けば行動制限も 東京医科大・濱田篤郎特任教授

全国を平均すると、この1週間で人口10万人当たり約1060人が新たに感染している。国民の100人に1人が新規に感染したということだ。ほぼ全ての都道府県で増加傾向が続き、いわゆる「オーバーシュート」(爆発的感染者急増)に近い状況といえる。

特に首都圏、近畿圏などの都市部で感染状況が悪化しているが、青森、静岡など一部の地方都市でも病床使用率が5割を超えている。地方は医療提供体制が十分ではなく、病床が逼迫(ひっぱく)しやすい。

感染の主体となっているオミクロン株の派生型「BA・5」は軽症が大半といわれるが、全体の感染者数が増加すれば、重症者の数も増える。沖縄は重症病床の使用率が4割に近づき、さらなる感染拡大が懸念される。

医療の逼迫を抑えられれば、社会経済活動に影響を与える行動制限をかける必要はないとの考え方は理解できる。ただ、現状は全国で過去に例のないほど感染者が急増し、欠勤者の続出で社会機能そのものが低下している。経済への影響も避けられない。現在のペースで感染者の増加が続くのであれば、行動制限も考えるべきだ。(談)

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