中国初の改正独禁法 ネット大手規制強化

【北京=三塚聖平】中国は、インターネット大手への規制を強化する改正独占禁止法を8月1日に施行する。改正は2008年の同法施行以来初めてで、中国で拡大したネット業界を念頭に置いた規定を新設し、違法行為の罰金を引き上げた。習近平指導部は、中国ネット通販最大手のアリババ集団など国内大手に対する締め付けを強めており、こうした動きが続くとみられる。

改正独禁法は、アリババなどの「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大ネット企業への対応に重点を置いた。独禁法を所管する国家市場監督管理総局幹部は、同法改正にあたり「一部の大規模プラットフォーマーが、データや技術、資本などの優位性を乱用して独占行為を行い、公平な競争の障害になっている」と狙いを説明している。

改正法には「データやアルゴリズム(計算手法)、技術、資本の優位性、プラットフォームのルールなどを利用して独占行為を行ってはならない」という文言が新たに入った。「中国共産党の指導を堅持する」とも明記しており、党主導で対応を進める姿勢を明確にした形だ。

巨額の利益を得ている大手ネット企業を念頭に厳罰化も行われた。違反の状況が重大で、悪影響が大きいといった場合には、罰金を引き上げることを可能にした。また、犯罪に関わる場合は刑事責任を追及することも定めた。

一方で、事業者の市場シェアが一定基準を下回る場合には禁止規定を適用しない「セーフハーバー」と呼ばれるルールが入った。中国政府は、関連規定の整備も進めている。

習指導部は、中国の経済・社会に対する影響力を増した国内の大手ネット企業を警戒し、取り締まりや管理強化を進めてきた。特にやり玉に挙げられたアリババには昨年4月、独禁法違反で約182億元(約3600億円)という巨額の罰金を科した。

習指導部は今年4月、景気悪化を受けてネット大手への締め付けを緩和する方針を表明している。ただ、独禁法の改正など新たな法制度の整備は止まっておらず、「ネット大手への統制強化という方向性は中長期的には変わらないだろう」(北京のエコノミスト)という見方が出ている。改正独禁法の施行後、実際にどのように運用されるのか業界関係者は注視している。

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