弁護人事務所捜索は「違法」 ゴーン被告逃亡巡り東京地裁、賠償請求は棄却

弘中惇一郎弁護士=2019年4月4日、東京都千代田区(萩原悠久人撮影)
弘中惇一郎弁護士=2019年4月4日、東京都千代田区(萩原悠久人撮影)

日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(68)が保釈中にレバノンに逃亡した事件を巡り、刑事訴訟法に規定された「押収拒絶権」を行使したのに東京地検特捜部に事務所を家宅捜索されたとして、弁護人だった弘中惇一郎弁護士らが国に297万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。

古田孝夫裁判長は「捜索を正当化することはできない」として違法性を認定。一方で、検察官が捜索に際し職務上の注意義務を「怠ったとはいえない」として賠償請求自体は棄却した。

刑訴法では、医師や弁護士などの特定業種は他人の秘密に関わる物の押収を拒むことができると定める。事件を受けて特捜部は、ゴーン被告の面会記録や被告が使用したパソコンのログ、事務所への来訪者が残した私物などの押収を目的に捜索した。

判決理由で古田裁判長は、面会記録とログは捜索時点で弘中氏側がすでに裁判所に提出しており、「押収の必要がなかった」と指摘。来訪者の私物についても押収拒絶権の保障が及ぶと判示した。

判決後に取材に応じた弘中氏は「新たな判例となる画期的な判断だ」とした。

会員限定記事会員サービス詳細