アイドルから「酒店」経営者に転身 元NMB48の高野さん「いずれはグローバルな活動も」

「成功した姿を見せられるのが一番ですけど、まずは挑戦することが何より大事」と話すNMB48元メンバーの高野祐衣さん=東京都台東区(浅野英介撮影)
「成功した姿を見せられるのが一番ですけど、まずは挑戦することが何より大事」と話すNMB48元メンバーの高野祐衣さん=東京都台東区(浅野英介撮影)

17歳で芸能界の道に進んだ元アイドルがセカンドキャリアとして選択したのは、「日本酒」の世界だった。アイドルグループ「NMB48」の元メンバーだった高野祐衣さん(28)は今月、東京・西浅草に「ゆい酒店」をオープン。酒蔵との直接交渉で仕入れた日本各地の日本酒約50種類が店頭に並んでいる。「日本酒はアジアですごく注目されているし、需要もある。いずれはグローバルな活動もできたら」。経営者に転身した高野さんの夢は膨らむ。

新潟の酒造会社とプロデュース

新潟県の酒造会社「阿部酒造」とともにプロデュースした日本酒「あべとゆいと」=東京都台東区(浅野英介撮影)
新潟県の酒造会社「阿部酒造」とともにプロデュースした日本酒「あべとゆいと」=東京都台東区(浅野英介撮影)

高野さんは平成23年の17歳のときにNMB48のメンバーに加入。27年の21歳でグループを卒業した後はタレント活動をしていたが、その際に出演していたCS番組のロケで日本酒の魅力を知った。

「材料は同じなのに、作り手によって味が変わるというのは、本当にすごいと思った」

日本酒の世界をさらに深く知りたいと思った高野さんは、30年に唎酒(ききさけ)師、令和2年には日本酒のソムリエである「酒ディプロマ」の資格を取得。昨年10月には所属していた芸能事務所を退所し、今年1月に日本酒専門のオンラインショップ「ゆい酒店」をスタートさせた。今月16日には、念願だった実店舗を台東区西浅草に構えた。

新潟県の酒造会社「阿部酒造」とともにプロデュースした日本酒「あべとゆいと」は、昨年クラウドファンディング(CF)で開発資金を募ったところ1日で目標金額(100万円)を達成し、店頭にも置いている。「既存のファンの方だけでなく、(日本酒の)業界の方にも注目していただけた」と振り返る高野さんだが、「(日本酒業界は)横のつながりがとても大事。業界としての考え方もあるので、ゼロから入った身としては、少しずつ吸収しているところ」と慢心はない。

生きている「芸能活動」

順調なスタートを切った高野さんだが、経営者としての道を歩む上では戸惑いもあった。

「(日本酒業界に入るまで)社会人としての経験がなかったので、商談に行くとか、名刺を渡すとか、そういったことをやったことがなかった」。買い付けの交渉のため各地の酒蔵に行く機会も多いが、「行ったからといって、すぐに取引ができるとは限らない。まずは信頼関係を深めていかないといけない」と自戒を込める。

ただ、芸能活動の経験は確実に生きているという。「芸能活動をしているうちに舞台に立つことが好きになり、人と話すことも好きになった。物怖じしないという部分では(芸能界の経験が)生かせているなと思う」と力を込める。

現在は経営者として多忙な日々を送るが、今後も芸能活動は続けていくという。「日本酒の魅力を広げるために(芸能活動を)むしろ〝武器〟にしたい。女性限定のイベントや、U-30(30歳以下限定)のイベントとかもいずれできたら」という高野さん。日本酒の魅力を知ってもらうため、先頭に立って積極的に情報発信していくつもりだ。(浅野英介)


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