健康カフェ

(229)運動は週末まとめてやっても大丈夫

患者さんの話を聞いていると、定期的に運動をしている人より、していない人の方が多い気がします。皆さん運動不足と口にはするのですが、状況が改善されることはあまりありません。足腰が痛い、運動は苦手、暑い…と理由を教えてくれますが、最も多いのは時間がない、というものです。

糖尿病などで通院している40代後半の男性患者さんは、大柄で軽度の肥満体型です。以前はよく歩いていたのですが、最近は全然体を動かしていないそうです。そのためか、血糖値も高めになってきてしまっています。少しでも多く体を動かした方がよさそうという話をしたところ、「平日は朝から晩まで仕事で、運動する時間がないのです」というお返事でした。

運動習慣がない人が継続して運動するようになるのは難しいもので、平日は時間がないと感じている人が多いと思います。世界的には、健康維持のために中等度の運動なら週に150分以上、高強度の運動なら75分以上の運動量が必要とされています。速歩のような中等度の運動では平日に毎日30分以上行うということになります。

平日はあまり運動しない代わりに、週末などの空き時間にまとまって運動するような人を「週末戦士」などと呼んでいます。このような人が、定期的に運動する人に比べ、十分な効果が得られるかどうかを調べた研究結果が米国の医学雑誌に報告されています。これは350万人の米国人成人を対象に約10年の経過を見たもので、運動が週150分以下の不十分な人、定期的に運動する人、週末戦士の死亡率の違いを調べています。結果は運動不十分な人に比べ定期的な運動は15%、週末戦士でも8%死亡率が低下していました。死因別としては、がんも若干低下してはいますが、心血管病死の方がそれぞれ定期群23%、週末戦士群13%と顕著に下がっています。定期群と週末戦士群での比較では、運動量が同程度だと死亡率に大差は見られませんでした。

週末しか時間が取れない人も、できる限り高い強度でしっかり運動できれば、平日に何日も運動するのに匹敵する効果が得られそうです。男性患者さんにも、週末は運動するための時間を取り、1~2時間はしっかり体を動かすことを提案しました。「週末なら時間はあるので何か始めてみます」と、少し前向きになってもらえたようでした。

(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

会員限定記事会員サービス詳細