岸田文雄首相とインドネシアのジョコ大統領との会談が27日午前、官邸で始まった。両首脳は中国の海洋進出を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた協力を確認する。日本からの巡視船供与など海上保安能力の向上支援、インドネシアで来月実施する多国間共同訓練への陸上自衛隊の参加といった安全保障協力の推進を図る。
会談の冒頭、首相は「自由で開かれたインド太平洋の新たな展開に向けて協力を推進したい」と述べた。ジョコ氏は安倍晋三元首相の死去について「深い哀悼の意」を伝えた。
インドネシアは11月の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の議長国で、成功に向けて連携を確認する。首相はロシアによるウクライナ侵攻、東シナ海や南シナ海における中国の軍事活動、北朝鮮による核・ミサイル開発に対する連携強化も促したい考えだ。東京電力福島第1原発事故を受けた日本産食品に対する輸入規制措置の完全撤廃も働きかける。
両首脳の正式な会談は首相が4月下旬にインドネシアを訪問して以来。ジョコ氏は国賓・公賓に準じる実務訪問賓客として来日し、午後には天皇、皇后両陛下が会見される。