「譲歩考えない」徴用工原告団体、政府解決策は「拒否」意向 光州で会見

記者会見で日本企業の謝罪を求める原告、梁錦徳さん(中央)=27日、韓国南西部光州(時吉達也撮影)
記者会見で日本企業の謝罪を求める原告、梁錦徳さん(中央)=27日、韓国南西部光州(時吉達也撮影)

韓国最高裁が日本企業に賠償を命じたいわゆる徴用工訴訟で、原告らを支援する韓国の市民団体が27日、南西部光州で記者会見した。日韓企業などで基金を設立し賠償金に充てる案など、韓国政府が検討を進める解決策については「こちらから譲歩する考えはない」と応じない意向を示し、判決に沿った賠償を求める方針を強調した。

この団体が支援する三菱重工業の訴訟では昨年9月、差し押さえられた企業資産の売却命令が出され、早ければ今夏にも最高裁で確定する可能性がある。韓国政府は、「資産現金化」の前に解決策を日本側に提示する構えだが、国内調整の長期化は必至だ。

同団体は声明で、「解決策は借金を返す人が出すもので、なぜ受け取る側が用意するのか」と主張。日本企業に損害が発生しないよう対策を講じる方針を示した朴振(パク・チン)外相を「被害国の外交トップがやることか」と批判した。

会見に出席した原告の梁錦徳(ヤン・クムドク)さん(91)は「謝罪を受けずには死ねない」などと発言した。

同団体関係者は、別の支援団体から基金設立を容認する意見が出ていることに「政府が原告側の分裂を画策しているのではないか」と警戒する見方を示した。(光州 時吉達也)

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