安倍氏への謝罪口にせず 山上容疑者、銃撃なお正当化か

移送される山上徹也容疑者=25日、奈良市(永田直也撮影)
移送される山上徹也容疑者=25日、奈良市(永田直也撮影)

安倍晋三元首相(67)が奈良市での参院選の演説中に銃撃されて死亡した事件で、殺人容疑で送検された無職、山上徹也容疑者(41)が、奈良県警の調べに、安倍氏に対する謝罪や反省の言葉を口にしていないことが27日、捜査関係者への取材で分かった。自らの行為をいまなお正当化しているとみられ、奈良地検は鑑定留置を通じ、山上容疑者の刑事責任能力の有無を調べる。

捜査関係者によると、山上容疑者は母親が信仰する旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)への恨みが動機だと供述し、当初は家庭連合トップの韓鶴子(ハンハクチャ)総裁の襲撃を画策。令和元年10月、韓総裁がイベントのため来日した際には火炎瓶を持って会場に出向いたが、警備の厳しさから断念したとされる。

その後、安倍氏が旧統一教会とつながりがあると思い、襲撃したと説明しているが、一方で「(安倍氏の)政治信条に対する恨みではない」とも供述。犯行直前に島根県の男性に送った手紙でも、安倍氏と旧統一教会との関係性を指摘しつつ、《本来の敵ではない》とつづっていた。

安倍氏個人への直接的な恨みはなかったとみられるが、捜査関係者によると、山上容疑者は逮捕後の取り調べに対し、安倍氏を殺害したことへの謝罪や反省を口にすることが一度もなかったという。25日から11月29日まで犯行時の精神状態を調べる鑑定留置が始まっており、県警の聴取は中断している。

一方、山上容疑者の母親は捜査当局の調べに「息子が大変な事件を起こし申し訳ない」と話しているが、旧統一教会への批判的な発言はしていないという。

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