パリ五輪までの2年間「大切に」 雪辱期すラグビー7人制女子・原わか花

2年後のパリ五輪出場を目指す原わか花(©JRFU)
2年後のパリ五輪出場を目指す原わか花(©JRFU)

パリ五輪開幕まで2年を切った。昨夏の東京五輪で日本選手団は史上最多58個のメダルを量産したが、ラグビー7人制女子は5戦全敗の最下位に終わった。「結果が出たら一気に注目される。女子ラグビー界に大きな影響を与える」。WTB原わか花(ば)(東京山九フェニックス)は、五輪の借りは五輪で返すつもりでいる。

7人制代表の中で最も名を知られた一人だろう。身長156センチと小柄だが、切れ味抜群の走りで代表に欠かせない存在に上りつめ、厳しい試合が続いた東京五輪でも2トライを挙げた。言葉でも「新幹線のような速い走り、美しい走りをみせたい」とアピールし、ファンに印象付けた。

ただ、最下位という結果は重い。「(東京五輪は)苦い思い出。何が良くなかったのかいろいろ考えるが、根本的に世界とのレベルが違った」と振り返る。世界の強豪が競う「ワールドシリーズ」全大会に出場できるコアチームから日本が外れていることや、新型コロナウイルス禍による実戦不足が背景にあった。

パリに向け、同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。コアチーム昇格が懸かる「チャレンジャーシリーズ」が8月に迫り、「世界との試合数を増やしていくことは本当に重要。必ず勝たなきゃいけない」と力を込める。9月には7人制ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会もある。

チームの成長は感じている。6月のフランス遠征で同国代表などと練習試合をこなし、「五輪のときはターンオーバーから一気に失点するシーンもあったが、攻撃の時間が増えたところもあるし、防御で粘れるようになってきた」と語る。

「(東京五輪の)試合があった3日間は本当にあっという間に終わってしまった。長い年月をかけてきても3日間の結果で決まってしまうというところを心に留め、24年までの期間を大切に過ごしたい」。22歳のトライゲッターは、決意新たに2年後の夏を見据える。(橋本謙太郎)

会員限定記事会員サービス詳細