1型糖尿病患者の障害年金不支給を取り消し 東京地裁

東京地裁
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血糖値を下げるインスリンが体内で分泌されない1型糖尿病の女性患者が、障害基礎年金を支給されないのは不当として国に不支給決定の取り消しを求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。岡田幸人裁判長は、国に決定の取り消しと障害等級2級相当の年金の支給を命じた。厚生労働省が定めた糖尿病についての障害認定基準については「一定の合理性がある」とした。

過食などが一因とされる2型糖尿病と異なり、1型は生活習慣とは無関係に発症。根治は見込めず、生涯にわたってインスリンの投与が必要だが、成人になると公的支援を受けられず、月数万円の医療費が自己負担となる。

障害基礎年金は「日常生活に著しい制限を受ける」状態の障害等級2級に年間78万円、より重い1級に同97万円が支給されるが、女性は平成29年3月に「該当しない」として不支給決定を受けた。

原告側は、ほかの疾患には明確な基準があるのに対し「糖尿病は具体的な認定基準がなく、2級以上の証明が困難だ」などとして、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると主張。女性は意識障害を伴う重症低血糖を起こしており「2級以上に相当する症状がある」と訴えていた。

一方、被告の国側は、糖尿病患者は適切に血糖値をコントロールすれば健康な人と変わらない生活を送ることが可能であり「認定基準は合理的」と主張。女性に日常生活の支障などが生じていたとは認められないと反論していた。

1型糖尿病患者の障害基礎年金の不支給を巡る訴訟では、大阪地裁が昨年5月、原告の患者9人のうち1人について支給停止を違法と判断、処分の取り消しを命じた。

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