鉄道運賃、変動制検討へ 地元同意で値上げも 国交省有識者会議中間まとめ

国土交通省は26日、交通政策審議会小委員会を開き、より柔軟な鉄道運賃の設定を可能とする仕組みを盛り込んだ中間まとめ案を示し、大筋で了承された。時間など繁閑の度合いで運賃を変更できる「変動運賃制」、自治体の同意を前提に事業者が国の認可上限を超えて運賃を値上げできる仕組みなど事業者の自由度を増すことが柱。混雑緩和やローカル線の維持など社会的なニーズに積極対応できるようにしたい考え。

運賃制度の大幅見直しは平成9年以来。これを受け、国交省は今夏から具体策を検討する。

現行の鉄道運賃は必要な運行コストに適正利潤を加えて算出する「総括原価方式」に基づき、国の審査を経て上限額が決定。値上げは必要コストの認定などでハードルが高いとされる。

中間まとめ案では、車内での事件対策で必要な監視カメラの増強や脱炭素の取り組みといったコストや投資の運賃への反映を明記。新型コロナウイルス禍で広がった時差出勤を促すために時間帯別の定期券を導入したり、新幹線や特急の料金をピーク時間帯や繁忙期に上げ、それ以外の時期は下げたりするような運賃・料金設定も盛り込んだ。

一方、人口減などによる利用者減にあえぐローカル線のため、路線や利便性の維持向上にかかるコスト増を地元側に説明し、同意が得られれば上限を超えた値上げを可能とする仕組みを構築していくとした。

この地元の同意を前提とした値上げ策については、乗客数が少ない線区などを対象とする鉄道存廃の検討促進策を25日に提言した別の有識者会議でも、国に導入を促していた。

また、将来的な検討として、国の基本方針を踏まえた上での自由な運賃設定を可能とし、過度な値上げがあった場合は国が変更命令で是正することなどを盛り込んだ試案も示された。

鉄道運賃値上げ、地元同意前提 地域の足に「主体的関与を」

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