露国防省、オデッサ攻撃認める 穀物輸出は再開へ

ロシア軍のミサイル攻撃の現場で作業する消防士=23日、ウクライナ南部オデッサ(ロイター=共同)
ロシア軍のミサイル攻撃の現場で作業する消防士=23日、ウクライナ南部オデッサ(ロイター=共同)

黒海に面するウクライナの南部オデッサ港にミサイルが発射された問題で、ロシア国防省は24日、オデッサに複数の精密誘導ミサイルを発射したと述べ、ロシアによる攻撃だったことを認めた。ウクライナのゼレンスキー大統領は「野蛮な行為だ」と非難。同国政府はオデッサなどに滞留している穀物の輸出再開の準備を進める方針を示した。

露国防省は、攻撃によりオデッサの修理ドック内の軍艦と、米国製対艦ミサイル「ハープーン」の保管庫を破壊したとしている。露外務省のザハロワ情報局長は、巡航ミサイル「カリブル」で「軍事的インフラ」を攻撃したと述べた。

ロシアとウクライナは22日、トルコのイスタンブールで合意した輸出再開に向けた文書で、黒海を航行する船や関連の港湾施設を攻撃しないことで合意したばかりだった。ロシアは、攻撃は軍事施設を対象としたと強調し、合意に反していないとの立場を示した。

ウクライナのクブラコフ・インフラ相は23日、「農作物の輸出再開に向けた技術的準備を続けている」と述べ、船団を組んで輸送する方針を表明し、攻撃に屈しない姿勢を示した。オデッサの穀物貯蔵庫は無事で、港湾施設に大きな被害はないという。合意では穀物輸出は2~3週間後に再開される見通しだった。

ブリンケン米国務長官は23日、ミサイル攻撃を強く非難するとの声明を出したほか、国連や欧州でも批判の声が相次いだ。

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