コロナ「第7波」のいま問うオンライン診療選び AGAから考える 信頼できる医師探し

提供:ゲッティイメージズ
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「きょうはどうしましたか?」「痛みますか」。自宅などでスマートフォンやパソコンの画面越しに、医師の診察を受ける「オンライン診療」の活用が広がっている。ICT(情報通信技術)が進化・普及するなか、新型コロナウイルスの感染対策を契機に対面からの移行が進展。リモート(遠隔)の診療は感染予防に加え、場所や時間の制約を緩和し、患者の選択肢を増やす効果が期待される。内科や皮膚科などなじみの深い領域から、比較的新たな男性型脱毛症(AGA)など美容分野までオンライン診療が選べ、新型コロナの感染拡大「第7波」とされるいま、いかに信頼できる医師や医療機関を探し出すか。

初診への適用を解禁

「初診からのオンライン診療は、原則としてかかりつけの医師が行う」。

厚生労働省が今年1月に改訂した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」。初診は「直接の対面による」という文言を削除し、代わりにこう明記した。新型コロナ下で時限的・特例的に認めた初診への適用を解禁した転換点だった。

ICTを活用する診療は「オンライン」の呼び方が普及する前の1990年代から適用の検討がスタートした。無診察の治療を禁ずる医師法を踏まえ 慎重に議論が進んできたが、近年の規制改革やデジタル化の動きが後押し。地方の医師不足対策などを理由に、2018年に再診への適用が認められた。

ICTを活用した診療は医師の偏在や働き方改革を背景に適用への議論が進んできた(提供:ゲッティイメージズ)
ICTを活用した診療は医師の偏在や働き方改革を背景に適用への議論が進んできた(提供:ゲッティイメージズ)

対面が原則だった初診も、新型コロナの感染が広がった20年4月に「時限的・特例的」な措置として解禁。今回の改訂はかかりつけ医や診療前相談などの条件を付けつつ、オンライン診療の適用の可能性を大きく広げている。

ネット上に広がる選択肢

厚労省によると、オンライン診療に対応する医療機関の登録数は昨年末時点で1万7405機関に上り、全体の15・5%を占める。うち7423機関(6・6%)は初診から実施できるとし、新型コロナ下で着実に増加した。

感染対策をきっかけに利用への理解が進み、オンラインの利点を生かした柔軟な医療サービスにつながることへの期待も高まる。例えば、遠隔地や在宅の患者にとって移動や付き添いの負担が減り、ケアをより充実させられる効果が考えられる。

しかし、ネット上には「通院不要」「スマホで完結」「処方薬を即日発送」と手軽さのみをアピールする言葉が並ぶ。オンライン診療によって医療機関がスピーディーな対応など効率のみを優先する事態に陥れば、診療がおろそかになる恐れがあるのではないか。

オンライン診療で手軽に痩せられるとうたって糖尿病薬を処方し、患者が頭痛や吐き気に苦しみ、国民生活センターに相談が相次ぐケースも発生している。このトラブルは治療薬を目的外のダイエットに使用し、説明責任も果たさない医師や経営者が責めを負うべきだが、ネット上に広がる選択肢のなかから、信頼できる医療機関を探し出す難しさを浮き彫りにした。

対面でも診療できる病院かどうか

特に美容分野は関心の高さを反映し、真偽が不確かな民間療法を含め情報があふれる。2000年代に入って普及したAGA治療も、新たな領域だけに患者は医療機関をどう選択すべきか迷いがち。これに対し、創成期から薄毛に悩む患者に向き合う銀座総合美容クリニック(銀クリ)は「オンライン診療を選ぶ場合も、しっかりと対面でも診療する態勢が整っているかどうかを確認してほしい」と指摘する。

診察する銀座総合美容クリニックの正木健太郎院長(右)。対面診療では、患者の髪や頭皮を触って状態を確認する触診などで細かく症状をチェックする。
診察する銀座総合美容クリニックの正木健太郎院長(右)。対面診療では、患者の髪や頭皮を触って状態を確認する触診などで細かく症状をチェックする。

AGAは、髪にとっての悪玉男性ホルモン(DHT)が毛周期(ヘアサイクル)に作用し、成長期を短縮して毛が短く・細くなり、最終的に抜けることが原因とされる。治療法は主にヘアサイクルを守る効果が期待される「フィナステリド」と、発毛を促す燃料の役割を担うという「ミノキシジル」の2種類の服薬が主流。つまり抜け毛を抑える「ブレーキ」をかけつつ、発毛への「アクセル」を踏み、症状の改善を目指す仕組みだ。

投薬のみならばオンラインで簡単に処方してもらえそうだが、安全で効果的な治療にはきめ細やかな診察とケアが必要になる。

問われる医療の「質」

銀クリはまず「問診」「視診」「触診」という3つの手段で、正確な症状を把握する。血液検査で健康状態も確認し、副作用へのリスクに配慮したうえで、投薬をスタート。定期的に効果をチェックし、その時点の症状に合わせて薬の成分濃度を過不足のないよう調整する。遠方や多忙な患者が足を運ばなくても治療を継続できるようオンライン診療にも対応するが、「直接相談したいことがあれば対面に切り替えてもいい。巧(うま)く使い分けてもらいたいし、こちらも適切に使い分けることで個々の患者さんの症状に適切に対応していく」(銀クリ)。7月には大阪院(大阪市北区)を新たに開設し、関西圏から通いやすいよう選択肢を広げている。

対面診療にも積極的に対応する医療機関は、医師の人件費や施設に十分投資し、診療時間を確保して患者に向きあっており、効率優先に陥っている恐れが少ない。症状をチェックしなければ、適切ではない治療薬を飲み続けたり、必要以上の薬剤を処方されたりすることも考えられ、効果は不透明なばかりか、思わぬリスクを背負う可能性さえある。患者にとって保険外の領域は料金も気になるが、医療の「質」を担保した価格設定なのかどうか見極めることが不可欠だ。

ネット上で繰り広げられる価格競争の結果、AGA治療が効率優先に陥ることを懸念する銀クリは5月に料金を一部改定。初月は1000円(カウンセリングや初診料、内服薬の費用込み)としてハードルを下げ、受診機会を広げる一方、2カ月目以降は診療内容に応じた価格を上限を含めて提示し、患者の安心と理解を促している。

オンラインで診療はより受けやすくなるが、医療行為が安易に効率化するわけではない。しっかりと診察・検査し、治療の効果を確認しながら回復を期す━信頼できる医師と地道な診療の歩みを進めることが、自らの身体的、精神的な健康を守る近道になるはずだ。

銀座総合美容クリニック
公式サイト:https://www.gincli.jp/
住所:(東京院)東京都港区新橋1-9-5KDX新橋駅前ビル4~5階
   (大阪院)大阪市北区曽根崎新地1-4-20桜橋IMビル15階
診療時間(完全予約制):11:00~20:00(日・祝19:00まで)
休診:水曜日
料金:初月1000円、2カ月目以降は、AGA治療内服薬2000円~1万9250円
相談・予約は東京・大阪共通のフリーダイヤル(0120・972・335)か、公式サイトから
※保険外の自由診療

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