侵攻5カ月 ウクライナ、米兵器で攻勢なるか

ロシアによるウクライナ侵攻から24日で5カ月となる。首都キーウ(キエフ)の攻略に失敗した露軍は4月以降、東部と南部の戦線に集中してきたが、進軍の速度は遅く、ほぼ膠着(こうちゃく)状態の戦況が続いている。6月末以降、ウクライナ軍には米欧の供与する長射程・高精度の地上兵器が配備され始めており、ウクライナの反転攻勢につながるかが焦点となっている。

露軍は4月上旬にキーウ周辺を含む北部一帯から撤退。中旬には東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)などでの占領地拡大に重点を置く作戦に転じた。しかし、ルガンスク州の完全制圧が発表されたのは7月初旬で、一進一退といえる攻防が続く。露軍が州単位で掌握したのはルガンスク州と、3月半ばに制圧した南部ヘルソン州の2州にとどまっている。

広大な平地が広がる東部や南部の戦闘では砲撃力が物を言うため、ウクライナは「露軍に火力で10~20倍劣っている」として米欧に武器供与の強化を訴えた。ここにきて米高機動ロケット砲システム「ハイマース」(射程約70キロ)などウクライナが待望していた兵器が実戦に投入され、威力を発揮し始めている。

22日、ウクライナ東部ドネツクで、破壊された市場付近を歩く女性(ロイター)
22日、ウクライナ東部ドネツクで、破壊された市場付近を歩く女性(ロイター)

ウクライナは今月8日、南部で本格的な領土奪還作戦を始めると表明。15日にはハイマースによって露軍の弾薬庫など30カ所以上を破壊したと発表した。

米英の情報当局は露軍に少なくとも1万5000人の死者が出たと推計している。ウクライナ国防省は露軍の死者数を3万8000人としている。他方、ウクライナ高官も6月上旬、自軍で「毎日100~200人が死亡している」と明らかにした。露、ウクライナの双方で損失は大きく、消耗戦の様相を呈している。

ロシアは国内各地で「義勇兵部隊」の編成に乗り出しており、囚人を戦闘に投入する動きも伝えられている。英情報当局は、人員と物資の不足から露軍が近く「一時停止」を余儀なくされるとみている。ただ、プーチン露大統領は今月上旬、「われわれはまだ(侵攻作戦で)何ら真剣なことを始めていない」としており、先行きは予断を許さない。

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