7月23日は「土用の丑(うし)の日」。例年より早く始まった夏本番、おいしいウナギを食べて今後も続く猛暑に備えたいところだ。ニホンウナギは絶滅が危惧されており、資源が枯渇しないよう、国内の一部の河川や湖沼では養殖ウナギの放流が行われている。しかし、放流によって本当に資源が維持・回復できているのかはよく分かっていない。自然に戻され、天然ウナギとの競争にさらされた養殖ウナギはどれだけ生き残れるのか。中央大などの研究チームが発表した放流効果の検証としては初の論文には、自然に介入する難しさの一端が記されていた。
競争力測る3つの実験
ニホンウナギは太平洋のマリアナ諸島付近で産卵し、レプトセファルスと呼ばれる幼生になると海流に乗って東アジアにやってくる。その後、シラスウナギに姿を変えて川を上り、数年から数十年をかけて成長。成熟期を迎えると川を下り、生まれ故郷に戻って産卵する。