絶滅危惧種に指定されているニホンウナギ。その資源管理に向けては、日本、中国、韓国、台湾の4カ国・地域で稚魚のシラスウナギを養殖池に入れる量(池入れ量)を制限するなど対策を進めている。だが、資源管理について協議する国際会議では最大の養鰻地である中国の不参加が続く。今年、約8年ぶりに協議に復帰したとはいえ、その管理実態は不透明だ。対策に法的拘束力はなく、池入れ量などの数字は科学的根拠が乏しいなど、資源管理の実効性確保には課題が多い。
ニホンウナギの漁獲や養殖などを行う4カ国・地域は2012年9月からウナギの国際的資源保護・管理に係る非公式協議を開催し、議論を続けている。今月15日には第15回の非公式協議の結果が公表され、各国・地域ともシラスウナギの池入れ量の上限を据え置くことなどで合意した。
今回の協議では14年を最後に欠席していた中国が復帰し、欠席期間も池入れ量の上限を順守していたことを報告した。ただ、協議の欠席や復帰の理由は明確に説明されておらず、「多くの魚種を乱獲する中国が、ウナギは資源管理を順守していると主張しても説得力がない」(漁業関係者)と懐疑的に見る向きも強い。