冷蔵庫・エアコン、中古が人気 新品高騰で手が出ず

中古家電を扱うヤマダデンキの店舗。展示スペースでは商品のリユース過程を動画で紹介している=大阪市
中古家電を扱うヤマダデンキの店舗。展示スペースでは商品のリユース過程を動画で紹介している=大阪市

ウクライナ情勢や円安の影響による日用品などの価格高騰が家計を直撃する中、新品より大幅に安い中古家電の人気が高まっている。加えて、猛暑でエアコン需要が高まっているにもかかわらず半導体不足で新品の在庫が乏しくなっていることや、分解整備・清掃済みの中古品が増えイメージが良くなったことも、ファミリー層による購入を後押ししている。

大阪市淀川区の家電量販店「ヤマダアウトレット淀川店」では、洗濯機や冷蔵庫、テレビなどの大型家電の中古品約100点が所狭しと並ぶ。「リユース品」と表示された容量8キロの洗濯機は、発売当初の価格の3分の1以下の約3万5千円で販売されており、さらに24カ月の保証が付く。同店の河村明伸店長は「売れ行きは昨年の1・5倍程度。以前は企業や大学生が多かったが、最近はファミリー層が増えた」と話す。

中古家電が所狭しと並ぶヤマダアウトレット淀川店=大阪市
中古家電が所狭しと並ぶヤマダアウトレット淀川店=大阪市

壊れた洗濯機を買い替えに来たという大阪市の主婦(72)は「安くてありがたい。昔は中古は不安だったけど、量販店だと安心して買うことができる」と笑顔を見せた。

ヤマダホールディングス(HD)は平成27年にリユース品を取り扱うアウトレット店をオープンし、中古家電市場に参入。現在は全国に約90店舗を展開している。今年5月にはヤマダ東日本リユースセンター群馬工場(群馬県藤岡市)を増設し、年度内にリユース製品の年間生産台数を7万台から18万6千台に引き上げる。同工場では、買い取った洗濯機や冷蔵庫を分解し、古くなっている部品の交換や清掃を行った上で店舗に出荷している。

一方、必要に迫られて中古家電を選択するケースも増えている。リサイクルショップを全国で展開するトレジャー・ファクトリーでは、6月の中古エアコンの売り上げが前年同月比で90%増えたという。

東京都内で6月下旬に6日間連続で最高気温が35度を超える猛暑日が続くなど、急激な暑さの到来によってエアコンの需要が急増。ところが、新型コロナウイルス感染拡大による中国・上海のロックダウン(都市封鎖)や半導体不足の影響で新品が足りない状況が続いている。

同社の担当者は「新品を購入しようとしたら設置できるのは9月といわれて中古にしたというお客さまもいる。中古であれば遅くとも1週間以内に設置ができる」と話す。

家計の状況に詳しい、日本総合研究所の小方尚子(おがたなおこ)主任研究員は中古家電の売れ行きが好調な理由について「物価上昇による先行き不安と消費者の志向の多様化がある」と指摘。質のいいリユース品が増えたことで中古家電の信用が上がり、「安い物が欲しい人やほかの趣味にお金をかけた人が中古家電を選ぶ機会が増えたのではないか」と話した。(桑島浩任)

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