防衛白書「抑止力は不可欠です」 防衛力強化へメッセージ

記者会見で令和4年版防衛白書を掲げる岸信夫防衛相=22日、東京・市ケ谷の防衛省(市岡豊大撮影)
記者会見で令和4年版防衛白書を掲げる岸信夫防衛相=22日、東京・市ケ谷の防衛省(市岡豊大撮影)

令和4年版防衛白書は単なる年次報告書の枠を超え、厳しさを増す安全保障環境に対応するための防衛力強化に広く理解を求める「メッセージ性」に力点が置かれている。

「力を背景とした現状変更を阻止するためにも抑止力は不可欠です」

防衛白書の別冊で、抑止力について解説した部分では赤字かつ太字でこう強調された。本文の要約を掲載する別冊に今年は、「フォーカス」と銘打つコーナーを設け、4つのテーマのうち1つに「平和を生む『抑止力』」を取り上げた。

政府は年末にかけて国家安保戦略など戦略3文書の改定を進めており、抑止力となる「敵基地攻撃能力」(反撃能力)を含む防衛力の抜本的強化を目指す。

ただ、防衛費の大幅増には国民の理解が必要となる。そこで今年は各国の防衛費を比較したページに国民1人当たりの換算額の対比表を新たに記載。主要先進国では日本の2~3倍であることを付け加えた。

さらに北大西洋条約機構(NATO)加盟国が防衛費の国内総生産(GDP)比2%以上を目標とする中、日本は0・95%で先進7カ国(G7)やオーストラリア、韓国と比べて「最も低い」と強調した。

敵基地攻撃能力についても岸田文雄首相が5月の日米首脳会談後の記者会見で「反撃能力を含めて、あらゆる選択肢を排除しない」とした発言を掲載。防衛省の担当者は「活発な議論に資するため、今まで以上に材料を提供した」と話している。(市岡豊大)

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