コロナ その時、

(48)2022年4月1~30日 制限なしGW、マスク緩和へ

さまざまなことが「3年ぶり」の春だった。新型コロナウイルス感染拡大の第6波収束は見通せないものの、約2年前の最初の流行以来、「行動制限」のない初めての4月だ。対面での入社式、ビアガーデン、海外旅行…。新規感染者数は大幅に減ることはなく、感染再拡大の懸念を抱えたまま、月末にゴールデンウイークを迎えた。

「成人式も、卒業旅行も自粛が呼びかけられる中で我慢が続いた。こんなふうに同期と集まって入社できたことが本当にうれしい」

新年度が始まった4月1日、東京都内で約290人を集めて行われた大手生保の入社式。女性新入社員はこう、喜びをかみしめた。

新型コロナウイルス感染拡大を受けた蔓延(まんえん)防止等重点措置が3月21日までで全面解除され、3年ぶりに対面で入社式を行う企業が増加した。

4月6日には東京都内の多くの公立小で入学式が行われ、足立区内の小学校では、飛沫(ひまつ)防止のため録音を流していた国歌や校歌の斉唱を、マスク越しながら子供たちが歌った。

全国の新規感染者数は、流行の第6波のピークだった2月上旬に1日10万人を超える日があったが、4月は4万人前後の日が続く。重症化率や病床使用率は比較的低い水準を維持した。

ただ、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種に関しては、25日公表の政府集計で、65歳以上の接種率が約87%に上る一方、20代は約30%、30代は約33%にとどまった。全体では50.8%と、ようやく半数だ。若年層の接種率向上は、その後も課題となり続ける。

第6波の先行きが不透明な中で、列島が沸く出来事も。プロ野球ロッテの佐々木朗希(ろうき)投手が10日、一人の走者も出さない完全試合を達成。日本プロ野球史上16人目、28年ぶりの快挙だった。一方、23日には北海道・知床半島沖で観光船が沈没、乗客乗員計26人のうち14人が遺体で発見された。事故から5日目にようやく社長が記者会見し、土下座を繰り返した。

中国は厳しい行動制限

海外では、「ゼロコロナ」政策を堅持する中国で2020年2月の感染拡大以来の流行期となり、4月中旬には本土全体の1日あたりの新規感染者が2万9000人を超えた。最大の経済都市、上海では3月末からロックダウン(都市封鎖)が続き、食料など生活物資が不足。厳しい行動制限で一部では医療へのアクセスも遮断され、住民は不満を募らせた。

米国では、南部フロリダ州の連邦地裁が4月18日、バイデン政権により導入された公共交通機関でのマスク着用義務を「違法」と判断。これを受けて航空大手や全米鉄道旅客公社が乗客乗員のマスク着用義務を撤廃したほか、米配車大手のウーバーなども追随し、「脱マスク」が加速した。

この間、ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は、ウクライナ側の強い抵抗を受け首都キーウ周辺から撤退。付近では多くの市民が犠牲となったことが判明し、バイデン米大統領は4日、ロシアのプーチン大統領を「戦争犯罪者」と非難。国際社会からも「ジェノサイド(集団殺害)だ」との声が上がった。

東京駅など4割超増加

「外にいるときはもうマスクはいらないと思う」

山際大志郎経済再生担当相は24日のテレビ番組で、マスク着用について、近づくゴールデンウイーク(GW)をにらみ、国内でも段階的に緩和するのが現実的だとの考えを示した。

27日に開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会後の記者会見でも、尾身茂会長が「二者択一の時代は過ぎた」と述べ、一律に着用を求める感染拡大期からは局面が変わったとの認識を示し、合理的な基準について議論する考えを明らかにした。

航空各社のGWの予約状況は、国内線が前年比1.7倍の約220万人、国際線が同4.7倍の約14万人となった。27日、東京・明治神宮外苑で3年ぶりにビアガーデンがオープン。29日には連合がメーデー中央大会を3年ぶりに東京・代々木公園で開いた。

GW初日となった同日、東京駅や大阪駅の人出は前年同月から4割超の増加。羽田空港も旅行客でにぎわった。国際線の出発カウンターでは、家族でハワイ便に乗る男性会社員が「感染に気をつけながら、楽しみたい」と笑顔をみせた。

「コロナ その時、」は感染流行の第5波が収束し小康状態となった昨年10月から、冬の第6波を経験し、GWに入る今年4月末までを振り返ってきました。今後も必要に応じて検証します。

(47)2022年3月1日~ 重点措置、全ての地域で解除

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