新聞データベースで普段触れない情報入手 文書力のスキルアップにも南多摩中教校

4年(高1)の公共の授業で行われたエッセイコンテストに向けた事前学習=11日、東京都立南多摩中等教育学校
4年(高1)の公共の授業で行われたエッセイコンテストに向けた事前学習=11日、東京都立南多摩中等教育学校

夏休みを前に、中高生向けのさまざまな作文・エッセーなどのコンクールが募集中だ。そのうちの一つが、産経新聞社が後援する「JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト」。生徒の国際理解や表現力の育成に役立つとして応募する学校も多い。東京都立南多摩中等教育学校(八王子市)は4、5年生(高1、2年)の夏休みの課題に導入。生徒はオリジナルのワークシートや新聞社のデータベースを活用し、テーマ選びや内容の掘り下げを行っている。

「Abe suspect planned(安倍晋三元首相を銃撃した容疑者は~を計画)…」「UK Foreign Secretary(英外相は)…」-。コンテストの準備に向けて行われた4年生(高1)の公共の授業の冒頭、担当する徳武英人教諭は教室のスクリーンに米CNNのニュースサイトを映し、世界の関心事を生徒に尋ねた。続けて英BBC、日本の新聞社のサイトも提示。授業冒頭に毎回、「日本の報道が全てではない」(徳武教諭)ことを伝えるため行っている。

6年間の一貫教育で「イノベーティブなグローバル人材の育成」を目標に掲げる同校は、3年前からJICAエッセイコンテストに応募している。「生徒のグローバルな視野をより広げ、進路を考えるきっかけの一つとなれば」(徳武教諭)との思いからだ。同コンテストなどを通じて国際協力への関心を高め、ユネスコ・アジア文化センターが相互理解を目的に高校生向けに開催する「モンゴル模擬国連」に参加した現6年(高3)生がいるほか、ベトナムやイタリアの高校とのオンライン交流、SDGsの活動に自主的に関わる生徒も増えてきているという。

授業では「エッセイ準備用ワークシート」を配布。生徒は①テーマ探し②情報の収集・行動③整理・まとめ④自分にできる取り組みや行動を考える⑤自分の体験や想(思)いを言葉にする-の順で取り組んでいく。まずは各自のタブレット端末でJICAの事業を確認。続いて日本の新聞社のデータベースにアクセスし、エッセーのテーマとなりそうなキーワードを入力して過去の記事を検索した。

生徒は「途上国」「上下水道」「SDGs」「子ども」など思いつく単語から記事を閲覧。数人のグループに分かれ、「ウクライナの復興に対して支援できないか気になった」「ごみ問題で、日本の高専の技術が海外で使われているらしい」など、各自で見つけた記事や自分の考えを発表した。

詳細なテーマを掘り下げるため、再度記事から情報を収集。ある生徒は「食料問題」から「昆虫食」に、別の生徒は「衣服」から「児童労働」に発展させていった。徳武教諭は「新聞にはたくさんの情報があり、普段自分が目にしない情報に触れることが多い」と考えている。一方で同時に、「世界のことは私たちにつながっている。自分の体験を自分の素直な言葉で交え、誰が書いたものかがはっきり分かるエッセーに仕上げてほしい」と生徒に念押しした。

エッセーを書くことで、「自分で調べて文章にまとめるためのスキルアップにもつながる」と徳武教諭。5年(高2)から取り組む4千字以上の「探究論文」にも生かしたい考えだ。

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