政府が進める洋上風力発電の公募入札を巡り、異例のルール変更が物議を醸している。新しい事業者の評価基準が、洋上風力の早期普及を促すと期待される一方、第1弾入札の結果を踏まえて行う「後出し変更」であることから、公正さを欠き競争環境をゆがめるとの批判が出ている。日本が再生可能エネルギー普及の切り札と位置付ける洋上風力は、早くもつまずきかねない状況だ。
「正直言って、(三菱商事が)気の毒という気持ちはある。その分、自分たちにとってプラスになればという思いもあるが…」
大手商社で再生エネ事業にたずさわる社員は、評価基準の見直しに対する複雑な胸中をのぞかせる。