安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件で逮捕された山上徹也容疑者(41)のものとみられるツイッターには、令和元年の開設当初から、母親が約1億円を献金したとされる世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への憎しみがつづられている。《オレは事件を起こすべきだった》などの過激なフレーズとともに、当時の安倍政権を突き放すような文言も散見された。
ツイッターの利用が始まるのは、家庭連合トップの韓鶴子総裁が来日した令和元年10月。《統一教会は全世界の敵だ》《オレが憎むのは統一教会だけだ》と、家庭連合を非難する言葉が並ぶ。捜査関係者によると、山上容疑者は韓総裁を襲撃しようと火炎瓶を手にイベント会場を訪れたが、断念したとされる。
同12月7日には《オレは母を信じたかった》《何故に母は兄のため、オレを生贄(いけにえ)にしようとするか》など母親に関する憎しみのような言葉を何度も投稿。神戸連続児童殺傷事件の加害少年を持ち出し、《オレは事件を起こすべきだった》《それしか救われる道はなかったのだとずっと思っている》とつぶやいた。
同12月28日にも《オレが母の噓(およそ5000万か)に気付くのはそれから10年後、登記簿を眺めた時だ》と投稿。母親が献金に資産をつぎ込み、家庭が崩れていった状況を詳しく書き込んだ。
山上容疑者が武器の製作を始めたとされる3年4月には《全ての原因は25年前だと言わせてもらう。なぁ、統一教会よ》と投稿。だが新型コロナウイルス感染拡大の影響で韓総裁は来日せず、韓国への渡航も難しくなっていた。
安倍氏に関しては元年10月、《統一教会のおぞましさに比べれば多少の政治的逸脱など可愛いものだ》《結果として安倍政権に何があってもオレの知った事ではない》と記載。一方で、《統一教会と同視するのはさすがに非礼である》とも書き込んでいた。2年8月には《安倍晋三という人間の政治手法を否定する為に結果まで否定する必要はない》とつづっていた。
今年6月末を最後に更新は止まった。山上容疑者はその直後、安倍氏の襲撃を最終的に決断したとみられ、7月8日に犯行に及んだ。