南モンゴルの人権問題指弾 楊海英教授が静岡「正論」友の会で講演 脱中国「長期的国益」

中国による「ジェノサイド」の実情に関して講演する楊海英氏=16日、浜松市中区(松本恵司撮影)
中国による「ジェノサイド」の実情に関して講演する楊海英氏=16日、浜松市中区(松本恵司撮影)

静岡「正論」友の会は16日、浜松市中区のクリエート浜松で、静岡大学教授の楊海英氏を迎えて「中国に奪われた南モンゴルの悲劇-日本は今呪縛を解くべき時-」と題し、第28回講演会(産経新聞静岡支局主催)を開催した。

楊氏は歴史的な背景を織り交ぜながら中国が断行する「ジェノサイド」(大量虐殺)の実態を説き明かし、日本との特殊な関係が根底に潜むと指摘。脱中国が「日本の長期的な利益」となり「贖罪(しょくざい)意識を脱し是々非々の関係を構築すべきだ」と主張した。

南モンゴル出身の楊氏は産経新聞「正論」欄の執筆者で、中国の覇権主義や激しい人権弾圧などを指弾し続け、日本の取るべき政策、方針などに関して真摯(しんし)な筆致で提言を繰り広げている。講演では国民的、人種的、宗教的な集団を意図的に破壊する行為としての「ジェノサイド」に関する解説に時間を割いた。

中国は、南モンゴルが戦前の満州国を通じて教育を発展させ近代化したことに「日本刀を吊るした奴ら」と批判し、高学歴化したことで中国から独立を図り「恨みを買った」のがジェノサイドの遠因と楊氏は分析した。また、ジェノサイドは突発的に発生するものでなく「長く時間をかけて雰囲気をつくっていく」ものと指摘。凶弾に倒れた安倍晋三元首相の事件を例に「安倍氏を攻撃し続け、批判が許容される雰囲気が醸成されたことが深刻な事態をもたらしたと危惧する」と述べた。

さらに、黄砂による環境問題が南モンゴルの開発に起因していると指摘。ハイテク産業に必要なレアアースを、南モンゴルで日本が戦前に発見していた鉱脈資料を使って1970年代から開発、砂漠化に拍車をかけていると懸念した。

中国は、漢民族を南モンゴルに大量に移民させる同化政策によって文化的なジェノサイド政策を断行しているとする。楊氏は「変な砂が交ぜられないように防波堤をつくるべきだ」と警鐘を鳴らし、講演を締めくくった。

講演会冒頭、安倍元首相を追悼し黙禱(もくとう)をささげた。

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