安倍晋三元首相が参院選の応援演説中に銃撃され、死亡した事件を受け、中国当局の圧政や人権弾圧に苦しむチベット人やウイグル人のコミュニティーに衝撃と悲しみが広がっている。安倍氏は首相在任中、中国の習近平国家主席に直接人権問題の改善を求めるなど、長年にわたり中国の人権問題を国内外で提起し続けてきたためだ。(原川貴郎)
「私の友人である安倍氏の突然の訃報に接し、悲しみに堪えません」
チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は安倍氏が死去した8日、昭恵夫人に書簡を送り、哀悼の意を示した。書簡でダライ・ラマは安倍氏を「チベットの人々にとってかけがえのない友人」とした上で、「篤い友情と、チベット人が守り続けてきた豊かな仏教文化ならびにアイデンティティーに対する支援に私は心から感謝する」と表明。「安倍氏は他者への奉仕において、真に意義深い人生を送られた」と結んだ。ダライ・ラマ法王日本代表部事務所が明らかにした。