井崎脩五郎のおもしろ競馬学

高額で落札もアテはずれ

いちばん期待外れだった馬って、何という馬なんだろう。

世界中の競馬記事を定期的に紹介している『海外競馬情報』(ジャパン・スタッドブック・インターナショナル)。その最新号が、こういう見出しの記事を紹介しているのだ。

「高額で購買したのにほとんど活躍しなかった競走馬」(英・レーシングポスト紙・6月2日付)

セリでこんなに高額がついたのに、レースで稼いだ賞金はたったこれだけ。

その期待外れぶりをベストテンの形式で発表しているのだが、第1位に指名されているのがこの馬。

「ザグリーンモンキー」

2006年、アメリカのセリ市で、世界セリ史上最高の1600万ドル(約21億6000万円/1ドル=約135円で計算)という超高額で落札された馬なのである。

セリ市直前の展示走行で、その駆けっぷりがあまりにも素晴らしかったために、この馬は世界的名馬になると確信した二つの陣営が、セリ市で真っ向からぶつかり合った。

アイルランドのクールモア・スタッド陣営と、ドバイのモハメド殿下の陣営。両陣営とも資金力は豊富。

およそ9分にわたる激しいセリ合いの末に、クールモアが落札するのだが、なんとこの馬、レースに出たものの一度も勝てず、手にした賞金は1万440ドル(約141万円)のみ。

まさに、とんだアテはずれ。

レーシングポスト紙によれば、ザグリーンモンキーは種牡馬となり、「フロリダ州の牧場で控えめな種付料5000ドルで供用されたザグリーンモンキーの初年度の相手は40頭だったが、その後12頭を超えることはなかった」

ザグリーンモンキーの産駒で、目立った馬といえば、2015年にパナマで牝馬3冠を達成したモンキービジネスくらい。

しかし、代を経て、ザグリーンモンキーの子孫にものすごい馬が出て、やっぱりヤツはただ者じゃなかった-というような話になることを、祈ってやりたくなるよね。(競馬コラムニスト)

会員限定記事会員サービス詳細