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積み荷の軽量化と耐久性を両立 三甲・後藤利彦社長

原油価格の高騰で物流コストが上がるなか、積み荷の軽量化にむけて物流資材への関心がこれまで以上に高まっている。輸送物資を入れるボックスなどの軽量化が求められるが、耐久性との両立も必要。プラスチック物流機器の分野でトップシェアを誇る三甲(サンコー、岐阜県瑞穂市)は高い技術力を生かし、この分野で軽くて強い高品質な製品を供給することで物流コスト削減や環境負荷低減に取り組んでいる。

物流コスト減、環境負荷低減

「質の高い製品を開発し、物流の効率化に貢献したい」と語る後藤利彦社長(酒巻俊介撮影)
「質の高い製品を開発し、物流の効率化に貢献したい」と語る後藤利彦社長(酒巻俊介撮影)

物資をトラックで輸送する際、あらかじめ個々の荷物やボックスを平パレット(フォークリフトで運べるすのこ状の荷台)などにまとめておく方式は「ユニットロード」とも呼ばれ、積み降ろし時間の短縮や荷物が傷むリスクが少ないといったメリットがある。

そのためにはボックスやパレットの軽量化と耐久性が重要になってくるため、同社の製品が大きな存在感を発揮する。後藤利彦社長(37)によると「少子高齢化で積み降ろしの作業員が不足するなか、その対策にもなる」と語る。

三甲のプラスチックパレット(下、フォークリフトの爪の入る穴がある)と折り畳み式のボックス「オリコン」(手前が畳んだ状態)
三甲のプラスチックパレット(下、フォークリフトの爪の入る穴がある)と折り畳み式のボックス「オリコン」(手前が畳んだ状態)

加えて、ボックスやパレットが軽いほど積み荷全体の軽量化につながりトラックの燃費にも影響する。一般的にプラスチック製は木製に比べて軽いため、強度さえ保てれば、こうしたニーズを取り込みやすい。

同社では、プラスチックパレットを板状ではなく、網目状にすることでさらなる軽量化と強度確保の両立に成功した。網目のように構造を細かくするには高い技術が求められる。同社は約1万4千のアイテムをそろえ、年間約250の新製品を市場に供給するなど、成形加工にも定評がある。

持続可能な事業スキーム

また、プラスチック製品ながら、環境負荷低減にも寄与する。軽量化によって輸送トラックの燃費が向上して、排出される温室効果ガスなどの削減につながる。さらに段ボール箱などと違って繰り返し利用できるうえ、同社では「壊れた製品を回収し、新たなプラスチック機器の原材料にするシステムも確立している」という。持続可能な事業スキームといえそうだ。

同社は短納期も売りにする。顧客企業に商品の大量受注があった場合などは、出荷時に商品を入れるボックスが足りなければ対応できない。どれだけ早くボックスを納品できるかが重要になる。同社は北海道から九州まで全国に計26の自社工場を持っており、より顧客に近い拠点で製造して迅速に届けることができる。

後藤社長は「さらに技術力を高めて、効率的な物流に貢献することで、人々の生活を支えていきたい」と話している。

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