共産が創立100年 与野党から強まる「包囲網」

東京・千駄ヶ谷の日本共産党本部
東京・千駄ヶ谷の日本共産党本部

共産党は15日、党創立から100年を迎えた。ただ、野党共闘が十分に実らなかった先の参院選では議席を減らした。安全保障などをめぐる主張に対しては他党からの警戒が根強く、党勢回復への打開策は見いだせていない。

共産は参院選で比例票が目標の650万を下回る約362万にとどまり、改選6議席から4議席に後退。「責任を深く痛感している。自力をつける取り組みは質量ともに立ち遅れを打開できていない」(常任幹部会声明)と振り返った。

今後は立憲民主党などに対し、憲法改正に前向きな日本維新の会や国民民主党を排除した野党共闘を訴えていく方針。ただ、立民は「前回の衆院選で野党の構図は大きく変わった。各党と個別に話していく」(幹部)として、共産との関係を特別視はしない考えだ。

一方、共産包囲網は強まりつつある。衆院選に続いて参院選でも躍進した維新の馬場伸幸共同代表は「防衛力を軽視し、憲法審査会の開催に反対する姿勢は国民に理解されない」と語る。

共産の武装闘争路線の記憶が新しい昭和30年、「人権を抑圧する共産主義、階級社会主義勢力を排撃する」などと訴えて結党した自民も警戒を緩めない。幹部は「最近のソフト路線化は戦術の変化に過ぎない。反皇室、反自衛隊、反日米安保の本質は変わっていない」と断じた。(内藤慎二)

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