10日に投開票された参院選は野党の大敗で幕を閉じた。選挙戦の最終盤に発生した安倍晋三元首相の銃撃事件が影響した面は否めないが、背景を詳細に分析すると、野党間の分断が進み、「多弱化」したことが敗北の主因との結論に行きつく。にもかかわらず、与党に対抗し得る勢力の結集に向けた動きは乏しいままだ。参院選を終えた今、野党はワーストシナリオに陥りつつある。
立憲民主党の泉健太代表は、開票結果が確定する数時間前の10日夜、参院選の結果を踏まえ、職を辞す考えはないのかと問われ、「はい」とそっけなく答えて辞任を否定した。泉氏は「議席数、得票数は当然ながら責任を負う立場にある」とも述べたが、言葉の端々からは、今回の選挙結果に一定の満足感すら得ているような印象も覚えた。
泉氏が報道各社のインタビューで力説したのは、代表として、「厳しい環境からのスタート」を強いられたという釈明だった。